石川遼は5打差で最終日へ 池に救われバーディフィニッシュ
静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催されている国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」3日目。7アンダーの6位タイから出た石川遼は6バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「70」で回り通算9アンダーの4位タイ、首位の谷原秀人に5打差で最終日を迎えることになった。
前日2日目に2度入れてしまった池に、今度は救われた。17番(パー3)でティショットを右に曲げてボギーを叩いた直後の最終18番。是が非でもスコアを伸ばしたいパー5で、石川はこの日も2オンのチャンスを迎えた。
ピンまでは210ヤード、右セミラフから放ったショットは「少し沈んでいたので、上からボールをつぶして、低い球でグリーン下の段から転がそうと思った」という狙いで4番アイアンを鋭角に入れたがミスヒット。しかしボールはファーストバウンドで水面を跳ね上がり、グリーン手前の縁で止まった。幸運の“スキップショット”で池ポチャの危機を免れると、続くアプローチをピンそば1メートルにつけてバーディフィニッシュ。「ラッキーでした。水の中とでは雲泥の差。ラッキーを活かせた」と照れ笑いで振り返った。
2001年の「ワールドカップ」でタイガー・ウッズが見せたチップインなど数々の名シーンを刻んできた18番ホール。石川は、松山英樹を追った一昨年大会は、17番でホールインワンを達成した直後に池に入れた。そして2年ぶりの優勝を飾った昨年は、降りしきる雨の中を5番ウッドでスーパーショットを放ち、逃げ切った。
「好きなホールでティショットも立ちやすい。でも(今年は)気持ちに余裕が無い状況で迎えることが2日間続いている。それが難しくさせているし、18番の罠にはまっていると思う」。18番の攻略無くして御殿場は制圧できない。5打差逆転を狙う今年の結末は果たして―。(静岡県御殿場市/桂川洋一)