逃げ切りの小田孔明か? ジワリ追走の藤田寛之か?
北海道の札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースで開催中の国内男子ツアー「ANAオープン」は3日目を終えて小田孔明が通算11アンダーの単独首位を堅守。1打差の2位にディフェンディングチャンピオンの藤田寛之がつけた。
両者ともに狙うのは今季初勝利。2人は片山晋呉を交えてムービングデーの最終組を作った。引き連れた大ギャラリーを、まず沸かせたのは藤田。出だしの1番で4メートルの強烈なフックラインを沈めてバーディ発進。強風の吹いた7番(パー4)の2打目では、7番アイアンで両脇の林の高さより低く弾道をおさえ、ピンそば1メートルにピタリとつけるなど、前半アウトで3つスコアを伸ばして上位をキープした。
しかし、決して調子が良くない中でのトータル「70」のスコア、そして優勝争いができるポジションに身を置けたことには「この位置にいることが不思議」と話す。初日からの順位は4位→3位→2位。それでは最終日は1位?
「でも毎日スコアは5アンダー、3アンダー、2アンダーと落ちている」と自虐的に笑う。ただ「(3日間)“4アンダー”がなかったからね。それを出せれば優勝できるのでは」と「68」を、ひとつの目標に見定めた。
一方の小田は、序盤はティショットが左に曲がり、2番でボギーが先行。その後はバーディチャンスを逃し続けて、波に乗れない展開となった。「ショットが全然良くなかった。あれじゃあ、ゴルフにならない」。7番でグリーン手前のラフからチップインバーディを決めると、続く8番(パー3)は左から8メートルを決めて2連続バーディ。しかし後半は、警戒していなかった洋芝独特のフライヤーに悩まされてパーを並べ、結局「71」とスコアを伸ばしきれなかった。
小田も、藤田同様、内容には不満を漏らす。しかし「今日はとにかく単独首位で終わりたかった」と安堵感もある。過去5勝はすべて最終ラウンドを首位からスタート。久々の優勝争いで、得意の形に持ち込めた。
明日の最終日は藤田、そして昨年大会でその藤田に逆転負けを喫したキム・ヒョンソン(9アンダー3位)との最終組。「是が非でも逃げ切ってやろうと思う」と2シーズンぶりの勝利へ向け、力強く誓っていた。(北海道北広島市/桂川洋一)