2013年 〜全英への道〜ミズノオープン

キム・キョンテ「ゴルフが楽しくなくなった」

2013/06/28 18:43
歴代賞金王も一時は「ゴルフが楽しくない」と落ち込んだ。しかし、ようやく笑顔も戻りつつある

2010年、国内ツアーで3勝を挙げて韓国人選手初の日本ツアー賞金王に輝いたキム・キョンテ。正確なショットと強いメンタルを武器に日本ツアーを席巻したキョンテだが、今シーズンはここまでインドネシアでの17位がベストフィニッシュ。その他の試合ではトップ30にも入れない苦しい戦いが続いている。

「11年の後半くらいから(ショットが)良くなくて、12年は優勝もしたけどだましだまし。今年に入ってこれ以上は無理だと思った」と、徐々にスイングの違和感は広がっていたという。

「毎日違うスイングで、4日間同じスイングをしたことがなかった。ゴルフが楽しくないし、やりたくないと思っていました」と、精神的にも追い込まれる。「今年は本当に厳しくて・・・。ショットだけなら85(ストローク)。パターとアプローチを頑張って75」。

そんな状況を打開すべく、5月末の「ダイヤモンドカップ」が終わったあと、2週間のオープンウィークを利用して、アマチュア時代にナショナルチームでキョンテのスイングを見ていたコーチを日本に呼んで、徹底的にスイングを作り直した。

「今よりダメになることはないかなと」。その甲斐あって、先週から徐々にショットは復調。「成績は出ていなかったけど、先週最終日のスコアは自信になりました。前はスイングだけを考えていたけど、今はスコアを考えてゴルフができるようになった。この2日間は今年一番満足しています」と、柔和な微笑みが返ってきた。

海の向こうでは、同年代のベ・サンムンがPGAツアーで優勝を飾るなど、刺激も少なくない。「米ツアーへ行くのは(仕組みが変わって)厳しくなったけど、いつかは行きたい」とキョンテは言う。

「~全英への道~ミズノオープン」2日目を終えて、首位と3打差の4位タイ。「今はまっすぐ行くから、ゴルフも面白くなってきましたね」。一時のスランプを乗り越え、その視野も再び先を見つめ始めた。(岡山県笠岡市/今岡涼太)

2013年 〜全英への道〜ミズノオープン