ベテラン尾崎直道が3アンダーの好スタート
例年、深いラフに加え硬く締まったグリーンが選手たちを苦しめる宍戸ヒルズCCだが、今年の「日本ゴルフツアー選手権」は、大会前日の雨と、初日も霧雨が降り続けたことでグリーンが柔らかく、初日はアンダーパーが51名と好スコアが続出した。
柔らかいグリーンの恩恵を受けたのは57歳の尾崎直道だった。2バーディ、2ボギーで前半を終えた尾崎は、11番、12番と連続バーディ、さらに14番、16番もスコアを伸ばして4アンダーとした。この日会心のショットを放ったのは、17番でのセカンドショットだった。
フェアウェイからの残り215ヤード、つま先下がりで左足下がりのライで選んだクラブは5番ウッドだった。「あれは気持ち良かったね。でも、いつものここならグリーンオーバーしてるよね。今日はグリーンが止まるのが分かっていたから突っ込めたよ」。池に捕まる選手も多い名物ホールで、ピンまで5メートルに2オンしたが、バーディパットは残念ながら入らなかった。
最終18番は2打目をグリーン左サイドのラフに入れ、ボギーフィニッシュのため3アンダーの11位タイとなったが、尾崎にとっては納得のラウンドとなった。「このコースで3アンダーなんて出ると思っていなかったから。ほんとグリーンが止まってくれて救われたね。難しいコースだから、歯を食いしばっていたら体が持たないから。少しリラックスしてやってたら楽しくなってきた。シニア(ツアー)でもバーディを獲れないのに、今日は6つもバーディ獲れたよ」。
この日は中嶋常幸、片山晋呉と永久シード選手3人でのラウンドとなったが、中嶋は9ホールを終えたところで左手首痛のために途中棄権となった。「中嶋さんがいなくなってから、調子が良くなったよ。片山は上手い。スコアでは勝てたけど、ゴルフの内容は完敗だね」と片山のステディなゴルフに敬意を表した。
シニアでは中嶋や室田淳、さらにメジャーを制した井戸木鴻樹などの活躍が目立っているが「次は俺って?ないない。そんなでっかいゴルフが出来ないんだよ。最近は目がダメになってきたのかな、白いボールだとぼやけて見えてしまうこともあるんだ」。先週はオレンジ色のボールを使い、今週はイエローボールを使用している。
「まだ、どっちが自分に合っているのか分からないけど、確実に白よりはいいね」。気分転換にもなると話す尾崎は、クラブも気分で入れ替えている。「ドライバーもパターも先週とは似てるけどちょっと換えてみた。それがいいのかもしれないけど、あと3日もあるんだから、ばてないように頑張るよ」と、57歳とは思えぬ軽やかな足取りでコースを後にした。(茨城県笠間市/本橋英治)