松山＆石川世代の大器 イ・キョンフンが目覚めるか

茨城県の大洗ゴルフ倶楽部で開催中の国内男子ツアー「ダイヤモンドカップゴルフ」2日目。2アンダーの18位タイから出た韓国のイ・キョンフンが4バーディ、ノーボギーの「68」で回り、通算6アンダーの首位タイグループに加わった。

昨年の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で日本ツアー初優勝を飾ったイは、現在21歳。今シーズン圧倒的な強さを誇示している松山英樹、そして米ツアーに主戦場を移した石川遼と同学年の大器だ。昨年の賞金ランクは10位、そしてスタッツの総合力を示すユニシスポイントでは2位。とはいえ、まずは抜群の飛距離が大きな魅力。将来を嘱望されている。

ところが今季は国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」から4試合のうち3試合で予選落ち。アンダーパーと、オーバーパーのラウンドが日々入れ替わる。「今年は去年優勝した後のゴルフに比べれば、波があります。ショットとパットがうまくかみ合わないし、スコアも安定しません」。現在は新しいスタイルを模索中。「自分に足りないものは何かと見つめ直したら、アプローチやパットがカギになると思いました。今はそこに費やす時間を増やしています」と言う。

昨年末、米ツアーの予選会に参加したが、出場権獲得はならなかった。しかし「去年は運よく、そういう機会に恵まれたけれど、僕にはまだ経験しなくてはいけないことがたくさんあります。すぐにアメリカというのではなく、日本ツアーでステップアップしたい」と地に足をつけて鍛錬を積む覚悟。「最近“あいうえお”から“ん”までが、ちゃんと言えるようになりました」と話す顔は、少々誇らしげ。きっかけ次第ではその才能が爆発する時も、そう遠くはなさそうだ。（茨城県大洗町／桂川洋一）