2012年 日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<1>】

2012/10/09 22:01
ボールがすっぽり。今年の日本オープンはこんなラフからのアプローチとの戦いです。(撮影・梅原敦)

藤田寛之プロのキャディの梅原敦です。今週1週間、こちらで「日本オープンレポート」を書かせて頂ける事になりました。今シーズンは、賞金ランキング1位と言う最高のポジションでこの日本オープンに挑戦する事が出来ます。藤田さんの奮闘ぶりと共に日本オープンの魅力をたっぷりとお伝えしていきますので、よかったら最終日までお付き合い下さい。

今年の日本オープンは、初の沖縄開催。ですから、いつもとはひと味違うんです。本来、日本オープンと言えば、松林でセパレートされた狭いフェアウェイに深いラフ。アゴが高い大きなバンカーに硬いグリーン、といったイメージが強いのですが、今週の那覇ゴルフ倶楽部はいつもの林が迫ってくるような圧迫感のあるプレッシャーは少ないですね。バンカーのアゴもそれほど気にならないし。

ではどこが違うのかと言えば、一番は芝の種類なんです。沖縄のような亜熱帯性気候地域では、本土のゴルフ場で多く用いられる「ベント芝」はほぼ育たない。気温の高い地域では「高麗芝」や「バミューダ芝」が使われるんです。

ちなみに今週の那覇ゴルフ倶楽部はバミューダ芝。ラフにはバミューダ芝の改良種である「ティフトン芝」が広い範囲で生えています。実はこのティフトン芝がもの凄く厄介で・・・。ティフトン芝はその性質から、僅か数センチでもボールをすっぽりと隠してしまうのに、今週は至るところで20センチ以上にも成長したティフトン芝が生えているんです。

そのため、ボールがある位置の真上から見ても、ボールをはっきりとは確認出来ないほど。ロストボールになる確率だって多いにあるでしょうね。

そんな状況下でのセカンドショットやアプローチ。試合では、究極に高い技術が要求されるでしょう。日曜日(7日)に沖縄入りした藤田さんは、昨日(8日)と今日は、徹底的にティフトン芝からのアプローチ練習に時間を費やしました。今週は、このティフトン芝にどれだけ順応出来るかが勝負です。

過去に、那覇ゴルフ倶楽部と同じような芝質のワイアラエCC(ソニーオープン)やオリンピッククラブ(全米オープン)で結果を残してきた藤田さんには絶対にチャンスがあるはず。

練習日はあと1日。おそらく明日も、練習のほとんどはティフトン芝からのアプローチ練習になるでしょう。

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