藤田寛之、40代での年間4勝に向けて
先週の「ANAオープン」で今季3勝目を果たした藤田寛之が、今週の「アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン」で2週連続優勝を目指す。その藤田は大会前日の練習ラウンドを終えると「自分、年間3勝って初めてでしたっけ?」と質問を投げかけてくる。
藤田は09年、そして10年に年間2勝を果たしているが、3勝は今年が初めて。そこで「あと1勝、年間4勝は40歳以上では青木功さんとジャンボ尾崎さんだけですよ」という知らせを受けると「なるほど、そういう次元なんですね」と、感慨深そうに表情をゆがめる。
藤田は自分が年間に4勝も5勝もできるような選手ではないと謙遜するが、その一方で「やっぱり今年の目標は年末の時点での世界ランキング50位以内なので、そのためにはコツコツ頑張らないとだめですよね」と優勝という言葉は使わず、藤田流の“コツコツと地道に”という表現をした。
しかし藤田自身が痛切に感じているのは、今季は間をあまりつくらずに3勝したにも関わらず、現時点で同ランク66位にいることだ。「3勝してもこれでしょ。っていうことは、やっぱりまだまだ勝たないとダメみたいですね」。優勝しなければ、という意識は、自身のプレーが萎縮するのではないかと思い、意識もしなければ言葉にも出さないようにしているが、気持ちの面では葛藤があるようだ。
そして、今週の「アジアパシフィックオープン-」には、アジア勢も多数出場し、優勝争いも過酷になることが想定されるが「やっぱり、日本での大会だし日本人選手が勝たないとダメですよね。そういう意味では今週は気合いの入り方が変わってくるかもしれませんね」と、闘志を見せる。その日本人が、という強い気持ちが藤田の2週連続優勝の可能性を高めてくれるかもしれない。(兵庫県三木市/本橋英治)