貞方章男は1打及ばず初勝利を逃す
福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部で開催された国内男子ツアー「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」最終日。通算14アンダーの2位から出た貞方章男は「69」をマークしたものの、キム・ヒョンソン(韓国)に1打届かず、日本ツアー初勝利を逃した。
3日目を終えて首位との差はわずかに1ストローク。ヒョンソンを同じ最終組で追いかけた貞方は、終始粘りを見せた。「前半で自分の思ったプレーとは違い、リズムが作れなかった。レイアップしたらラフに行ったりと思うように行かなかった」と話しながらも、前半4番で最初のバーディを奪って、まずトップタイに並ぶ。
直後の5番から3連続バーディを決めたヒョンソンが抜け出すが、2オンに成功した折り返しの9番(パー5)から2連続バーディ、さらに13番(パー5)で2メートルのフックラインを読みきってバーディとし、終盤にかけて再び首位タイの座を捕らえて見せた。
しかし15番。左ラフからの第2打をグリーン奥にこぼし、アプローチで1メートルに寄せたものの、パーパットを押し出してカップ右に外してしまう。再び1打差を追いかけた17番では4メートルのバーディパットが「あんなに切れるとは思わなかった」とカップ左をすり抜けた。そして最終18番(パー5)。左ラフから残り275ヤードの第2打は「攻めるしかなかった」と3番ウッドを強振。しかしボールは大きく右の林方面へ。危険を知らせる「フォアー!」の声が、悲しげにコースに響いた。
14歳で米国に単身渡米し、2008年に日本ツアー参戦。初体験となった最終日最終組でのラウンドは、悔しさにまみれた。単独2位フィニッシュで賞金ランキングは41位に浮上(1253万9000円)し、来季のシード権獲得にも近づいたが「目の前に“優勝”がありましたからね…」と、大きく息を吐いた。(福岡県糸島市/桂川洋一)