2012年 VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント

義理堅い藤本佳則 5位後退も「弱音は吐けない」

2012/08/25 16:37
悩みのタネだったショットは復調傾向。ルーキー藤本は4打差逆転を狙う

福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部で開催中の国内男子ツアー「第40回VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」3日目。トップとの差2ストロークを追ってスタートした藤本佳則は、3バーディ、3ボギーの「72」とスコアを伸ばせず通算11アンダーで5位タイ。首位のキム・ヒョンソン(韓国)に4打差で最終日を迎える。

第1ラウンドを終えて単独首位。予選2日間を終えて3位に。そしてこのムービングデーはさらに後退。しかし藤本は「今日は一番、ショットに手応えがあった。ストレス無くやれた感じです」と一日を振り返った。

前半からバーディとボギーが交互に出る展開ながら、グリーン手前の深いラフからパーセーブした7番など得意のショートゲームは健在。時に不規則な転がりをする高麗芝のグリーンでも強気のパットが光る。前日のラウンド後の練習でつかんだ、復調のきっかけになりそうな“ヒラメキ”も「やっていく方向性は出てきたと思う」とコースで確信に変わってきた。「アプローチ、パターでしのげているので良い。ショットは(一晩)寝たら、良くなることもある」と最終ラウンドへの不安は見せない。

日中ギラギラと照りつける太陽は、同大会の“名物”ともいえる試合展開を左右する要素の一つだ。しかし藤本は「暑いは暑いけれど、みんながサポートしてくれているから、そんなこと言ってられないでしょう」と前村直昭キャディをはじめとした周囲に気を配る。「(キャディの)直さん、44歳っすよ。オレ、22歳。なんも重いもの(キャディバッグ)持たずに、暑いって言うてたら、さすがにキレられます。弱音は吐けない。こっちがサポートするくらいじゃないと」

5月の国内メジャー「日本ゴルフツアー選手権」以来となる2勝目に期待がかかる藤本。新人が年間複数勝利を挙げるのは1981年の倉本昌弘以来、99年のJGTO発足後は初となる。「前半でトップに追いつきたい。どれだけ伸ばせるか。追いつけば後半は面白くなると思います」。日頃の感謝の思いを、倍にして返すには絶好のチャンスだ。(福岡県糸島市/桂川洋一)

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