2011年 中日クラウンズ

【GDO EYE】ジャンボ尾崎、杉原輝雄の想いを背負って

2011/04/28 19:08
現在64歳の尾崎将司。過去5度の優勝を誇る和合マイスターが好発進を決めた!

「中日クラウンズ」初日、朝の練習場で石川遼はジャンボ尾崎に声を掛けられた。「今年は体調がいいし、コースを歩くことに慣れてくれば、俺はいつでもお前とやれるぞ」。その言葉を聞いて、「嬉しかったし、おーっていうか鳥肌が立つのを感じました」と石川は言う。大会初日、その尾崎が通算3アンダーで首位と2打差の3位発進。大会最多タイの5勝を挙げている尾崎が、言葉通りの存在感を見せつけた。

なによりも、その明るい表情が調子の良さを雄弁に物語る。震災からの復興に願を掛けた禁煙も今日で6日目。ラウンド中に煙草を吸いたくなってイライラしないかという問いにも、「人生前向きにいかなぁ。そんなもんでイライラしちゃいかんよ」と笑い飛ばす。

実は数年前にも禁煙に挑んだ尾崎だったが、2カ月で断念してしまった経緯がある。「腰がすごく悪い時にやったけど、そのおかげで5キロも体重が増えてしまって逆に腰に負担が掛かってしまい、やむなく戻したといういたたまれない事情なのよ」。しかし、今シーズンは良いトレーニングが出来ており、「そういう中で禁煙しても、前回のようにはならないだろう」と、踏んでいるのだ。

そんな尾崎が励んでいるのは、杉原輝雄に勧められたという加圧トレーニング。「杉原のおっさんに2年前に『お前もしなさい』って言われたんだけど、最初はどうせおっさんがやるようなトレーニングと思って聞き流したけど、1回やってみたらすごくいい結果が出てね」と尾崎。「杉原のおっさんの遺言だと思ってやってるのよ」。

今年、体調不良により同一大会連続出場51回の世界記録が途切れた杉原に対する尾崎なりの愛情表現だろう。「俺が恥ずかしいプレーをすると、自分も恥ずかしいって人だからね。それを背負ってね。おっさんにも頑張ってもらいたいけど…」。たとえコースには来ていなくても、やはりこの大会におけるドンの存在感は別格だ。(編集部:今岡涼太)

2011年 中日クラウンズ