遼「この試合で決まってほしくない」
今週の「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」を含めて残り2試合と、賞金王争いも大詰めを迎えた。賞金ランクトップのキム・キョンテに約3,200万円差をつけられている石川遼は、練習日の23日(火)にイン9ホールをラウンド。この日はグリーン周りと合わせ、50ヤードのアプローチを重点的に練習する姿が見られた。
「これまで50ヤードのアプローチで基礎を固めてきたのが、今までの自分のスタイル。短いアプローチほど簡単に手元で打ってしまうことがあるので、しっかり足を使って打つことをもう一度、確かめました」。賞金王争いが大詰めの今でこそ、改めて基本に立ち返り、自らのプレーを見つめ直した。
今週、キョンテが優勝した時点で賞金王が確定。単独5位以上の場合でも、石川の順位次第では、2年連続の賞金王を逃す可能性をはらんでいる。「この試合で決まってほしくないですね。できる限り、今週で差を縮めないといけない」。今週の舞台であるKochi黒潮CCは、ホールの左右が林で区切られていない広々としたレイアウト。飛ばし屋が有利とされる中、石川も「好きなコース」と相性の良さを認める得意コースだけに、期待も高まる。
飛距離のアドバンテージを活かすためにも、注目が集まるのは敢行中のスイング改造。進捗については、「まだ始めたばかりなので、2割くらい」と未完成を認めるが、その現状をプラスに変えようとしている。「結果を出そう、出そうと思うと、焦る一方。スイングのことを90パーセント考えて、1打1打を打っていきたい」。スイング改造当初で優勝した「三井住友VISA太平洋マスターズ」を例に出し、「あの時は、スイングのことで頭がいっぱいだった。今週も、そういう気持ちでやれればいい」と心構えを口にする。
練習ラウンド後は近隣のサッカー場に足を運び、集まった地元の小学校生徒にサッカーボールを贈呈。生徒33名とサッカーを行い、子供たちとの交流を楽しんだ。「高知での試合は年に1回だし、みんなも楽しんでくれて良かった。試合も頑張りたいですね」。リラックスした笑顔を見せ、決戦への英気を養った様子だった。