2010年 キヤノンオープン

【GDO EYE】涙、涙の横田「神様は見てくれていた」

2010/10/10 20:40
横田真一と夕子夫人の強い絆も、13年ぶりの勝利へと導いたのだろう

最終18番で20センチのウィニングパットを残し、ようやく勝利を確信したという緊迫の18ホール。13年と19日ぶりのツアー2勝目を手にし、グリーンサイドで待ち受けていた、妻でタレントの穴井夕子さんと抱き合った。「パパ、おめでとう!頑張ったね!」。苦楽をともにした妻と、涙を流しながら勝利の喜びを分かち合った。

05年から2年間は選手会長として、当時どん底にあった男子ツアー復興に向けて奔走した。3年前から開催された「キヤノンオープン」も、横田の尽力により実現したトーナメントの1つ。だが、その多忙な日々の代償として、06年にはシード権を喪失した。その状況と貢献を考慮し、JGTOからは特例シードを与えられたが、「選手会長としてやってきたことがウソになる」と辞退。「僕の人生の究極の選択だった」という決断は、結果的に厳しい現実を生んでしまった。この日、最高の勝利を手にするまでは。

「今日勝って、初めてあの時に断って良かったなと思った。神様は見てくれていたと思った。あの時(選手会長時)は“みんなの為に”と思っていたけど、いいことをして良かった」。ゴルファーとしての活動を犠牲にしてまで実現させたトーナメントで勝利し、「今日で穴埋めできましたね」と感慨深げ。横田の生き様に、ようやく勝利の女神が微笑んだ。

「主人はすごく人が良すぎて・・・。パパとしては最高だけど、ゴルファーとしては良いところを見られないと思っていた。優勝も諦めていたので、こんな日が来るとは思っていませんでした。今までで一番嬉しい日です」と夕子さん。この日、2人の女神が横田に微笑んだ。(編集部:塚田達也)

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