【GDO EYE】祝・完走!?3ダボでも無事逃げ切った宮本勝昌
まさか終盤こんなことになろうとは、宮本勝昌本人も予想はしていなかったと言う。国内男子ツアーの今季メジャー第2戦「日本ゴルフツアー選手権シティ杯宍戸」最終日、2位に7打差をつけてスタートした宮本は、1番をダボ発進とするも、直後の2番パー5でグリーン奥からチップインイーグル。6番パー5でもバーディを奪って通算10アンダーとし、「普通にプレーすればいけると思った」と振り返る。
13番で2mのパーパットを沈めて一安心。リーダーズボードを見ると、2位の平塚哲二とは6打差がついていた。「マッチプレーだったら終わっているのに・・・」。そのちょっとした心の隙間に、じわじわと弱い思考が侵入してきた。
続く14番では15mのファーストパットを2mショートして3パットのボギーを叩く。15番のティショットは、「散々練習してきたのに、体が止まってしまった」と左の林を越えて、隣の17番ホールのラフまで落としてしまう。そこから、17番のティグラウンド、そして16番の池の淵を経由してのダブルボギー。さらに17番でも、ティショットを左ラフに入れてレイアップを選択したが、3打目はまたも左にひっかけてグリーンに載らず、アプローチを1m弱に寄せたが、このボギーパットも外してしまう。
僅か4ホールで2ダボ1ボギーと5ストローク落として、平塚との差は2打に縮まる。「同じ人がやってもこんなにゴルフって変わるんだ」と宮本。17番から18番ティに向かうインターバルでは、「マラソン選手がふらふらでゴールまで行くような感じで、ギャラリーの応援も沿道の人に声を掛けてもらっている心境でした。聞こえるのは“頑張れ”じゃなく、“あと少しだぞ!”って。俺、ゴルフしてるんだよなって(苦笑)」。
それでも、最終18番のティショットをフェアウェイに運ぶと、2打目でグリーンセンターへ載せることに成功する。「ギャラリーの拍手が聞こえて、“ヨシ”っていうのはありました」。宮本の長い1日が、ようやく幕を閉じようとしていた。
今週で108試合連続出場中。2001年1月1日以降のツアー最長記録を更新中で、今大会の優勝で年末に行われる「日本シリーズ」の出場権も獲得し嬉しそうな笑顔を見せる。そんな宮本が心配したのが、女子ツアーの優勝者。「甲田さん?」聞いたことが無いという様子の宮本。「じゃあ、大丈夫だよね!?」とにんまり。懸念したのは紙面の大きさ。そりゃ、メジャーチャンピオンですから、きっと大丈夫だと思いますよ!(編集部:今岡涼太)