“日本一曲がらない”稲森佑貴を止めた男 勝亦悠斗のFWキープ論「真っすぐ打つ意識はありません」
◇国内男子◇ドラッグストア・コスモスカップ 初日(1日)◇グランフィールズCC(静岡)◇7156yd(パー70)◇晴れ
7アンダー「63」はツアー自己ベストに並ぶスコアだが、ハーフ20台(29)は初めてとなる。勝亦悠斗は「きょうはとにかくパターですね」と満足げだった。前半はわずか11パット。1.5mを決めた前半2番を皮切りに3度の2連続バーディとチャンスを逃さなかった。
数年来のパッティングの課題と向き合うため、2週前の「ANAオープン」を控えるタイミングのオープンウィークでエイムポイントのレッスンを受けた。8月「ISPS HANDA 夏に爆発どれだけバーディ取れるんだトーナメント」で初優勝した平本世中が直前にレッスンを受けたと聞き、「それにあやかるじゃないですけど、どうせ入らないんだったら…」と一念発起。まだまだ習得段階とはいえ、外した原因の把握を助けてくれるのがありがたい。後半唯一のバーディとなった16番は大きく曲がるフックラインの13mを沈めた。「曲がり過ぎるラインだったので(傾斜を読む際にかざす)指が足りないくらいでした」と驚く。
首位に迫る好スタートを切った32歳は、昨季“一芸”でサプライズを起こした。9シーズン連続でフェアウェイキープ率1位に君臨していた稲森佑貴の牙城を崩し、79.283%で初戴冠。新たな“日本一曲がらない男”登場と思いきや、本人は「自分の中でまっすぐ打つ意識っていうのはないんです」と明かす。薄いフェードでストレートに近い軌道を描く稲森とは対照的なドローヒッターで、「『こっちのラフはOK』みたいに決めた方に曲げて打って、フェアウェイに収めるタイプ」。ちなみに性格も「どっちかと言ったら“曲がってる”かもしれないですね」と冗談めかして笑わせる。
今季も1位の稲森(75.097%)に次ぐ2位(72.817%)につけながら、「もちろん(部門別1位を)獲れたらうれしいんですけど、結局フェアウェイキープ(ばかり)を気にしても、(それだけで)スコアが良くなるわけではない」と意識は控えめ。昨季届かなかったシード獲得、そして初優勝へグリーン上で仕留めきる力を磨こうと必死だ。
シーズン中に急きょ決まった大会が地元静岡での開催となり、「『土日に応援に行くね』とたくさん激励をいただいて。まだ4分の1が終わっただけ。皆さんに来てもらうためにも頑張りたい」と気合がにじむ。ホールアウト後は観戦に来ていた妻・里沙さん、長女・陽菜ちゃんと喜びを分かち合ったが、もっともっと雄姿を見てもらいたい人たちがたくさんいる。フェアウェイキープのタイトル以上に、このポジションは譲れない。(静岡県三島市/亀山泰宏)