池田勇太は2年ぶりシード奪還ならず 「自分に失望する感じ」は好材料
◇国内男子◇カシオワールドオープン 2日目(22日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7350yd(パー72)◇晴れ(観衆1927人)
故障からの完全復活を目指す池田勇太の2年ぶりのシード奪還は惜しくも失敗に終わった。2アンダー41位から2ボギー2ダブルボギーの「78」をたたいて通算4オーバー。賞金シード獲得となるランキングのボーダーラインである上位65人目(出場義務試合不足選手を除く)で迎えた大会で予選落ちし、ランクの後退が確定的になった。
あらゆる痛みの発端となった顎関節の手術を今春に終え、シード復帰を目指した今季は出場試合が13試合にとどまった。5月「ミズノオープン」で初戦を迎え、2戦目の「日本プロ」で14位に入ったものの、「夏場は“ただ打っているだけ”」と長らく本調子に程遠い状態でプレーしながら、終盤戦にシード争いに割って入った。
「三井住友VISA太平洋マスターズ」(44位)を戦った2週前、「ようやくスタートラインに立てた感じがする。やっと球を操れるようになってきた」という感触が湧いた。「それなのに最後の18ホールがこういう形だったので、自分に失望するような感じです。ことし最後のゴルフの内容に腹が立っている」。ラウンドを振り返る表情は憮然そのもの。フラストレーションが肉体面ではなく、自身のプレーぶりに向いたことは、池田にとって今後の好材料でもある。
17年間のプロ生活でツアー史上7番目の15億3881万2782円を稼ぎ、長年有している「生涯獲得賞金ランキング上位25位以内」の資格は来季も行使(適用)しない考え。12月に主治医と今後の治療方針を決める予定で、「たぶん来年もフルシーズンは戦えない。来年使ってもあまり意味がないかなと。全部、出られるわけではないので」と身体への不安が払しょくされるまで“温存”するつもりだ。
まずは来季の限定的な出場資格を確保するべく、次週の3次予選会(サードQT)に参戦する。「(シードを)結果として取れなかったのは仕方がないが、体の状態が良くなってきているなと間違いなく感じる」と早くも次のゲームに視線をやった。(高知県芸西村/桂川洋一)