矢野東が首位と1打差の5位タイと好発進/チームPRGR
今季の最大目標に掲げていた米ツアーのセカンド・クオリファイングスクール(QS/ツアー優先出場順位決定戦)挑戦では、惜しくも予選通過を果たせず、無念の帰国。その足で、先週は四国・高知で開催された「カシオワールドオープン」に出場し、通算13アンダー・10位の好成績を収めたチームPRGRの矢野東。ゴルフは「上がり調子で不安はない」状態で、ツアー最終戦の「ゴルフ日本シリーズ」(東京よみうりカントリークラブ/7016ヤード・パー70)を迎えた。
「ゴルフ日本シリーズ」は、今季ツアー優勝者と昨年の同大会覇者、賞金ランキング25位までの選手だけに出場資格が与えられる。一年間戦って来た選手にとっては憧れの舞台であり、そして今季最後の日本メジャーでもある。
火曜日の練習ラウンド、水曜日のプロアマ大会でコースを入念にチェック。「ショットが曲がりそうにない」と、ドライバーショットは確実にフェアウェイを捕らえ、アイアンショットはピンに絡むプレーを披露し、最終戦での今季初V達成を予感させた。
迎えた大会初日は、朝から冷たい雨が降り続く生憎の天候で幕を上げた。気温8・7℃。吐く息が白い。ギャラリーは傘を差し、選手たちはニット帽や首巻、手袋で防寒対策を施していた。
午前9時からの開会式を経て、矢野は午前10時20分にスタート。第1打目のドライバーショットはホール右サイドの崖下に打ち込んでしまった。
「朝から気温が低いままで、ショットがどこへ飛ぶのかまったくわからない状態でした」と矢野。3オン2パットのボギースタートとなったが、3番ホール・パー4でバーディを奪い、スコアをイーブンパーに戻してハーフターン。後半も1バーディ・1ボギーにスコアをまとめ、初日は首位と1打差のイーブンパー・5位タイと悪天候の中、好発進を切った。
「よく我慢ができたと思います。今日は1オーバーでもOKだと考え、とにかく大叩きだけはしないようにプレーしました。雨で気温が低く、ボールのライもグリーンの状態も決して良くはありませんから『こんなはずはない』という気持ちを抱かずにラウンドすることに徹しました。後半は厳しいパーパットがうまく入ってくれたし、フェアウェイキープ率が高かった。それにピンをデッドに狙わず、グリーン中央に乗せていく攻め方が奏効したようです」と矢野は、初日の戦いぶりをそう振り返った。気温8.7℃よりも体感気温はさらに低く、6番アイアンで149ヤードしか飛ばないホールもあったという。
「雨が上がる明日は、グリーンがソフトになり、しかも気温と天候が回復したならパット合戦にきっとなるはず。それに乗り遅れないようにして、最終日は好位置で迎えられるように頑張ります」。好調さを証明するため、矢野は最終戦で日本タイトルを手にする気構えだ。