うっぷん晴らす「65」も“上ブレ”? 石川遼の次戦は32歳バースデー
◇日韓亜男子共催◇シンハンドンヘオープン 10日(最終日)◇クラブ72CC・オーシャンコース(韓国)◇7204yd(パー72)
“裏街道”の10番スタートに回った石川遼が9バーディ、2ボギーの「65」をマークしてリーダーボードを一気に駆け上がった。出だし5ホールで4バーディ、後半のアウトも3連続を含む5バーディを追加。思うようなゴルフができなかった3日間のうっぷんを晴らすかのようなプレーをみせた。
「アイアンとウェッジが良すぎるぐらい良かったです。3m以内のバーディチャンスが多かった」。パー4の2打目やパー5の3打目でことごとくチャンスを演出。7番パー5ではセカンドでピンを攻め込み、奥にこぼれたアプローチを寄せて楽々バーディを奪った。
ショットはピンに絡み、アプローチも寄り、パットも冴えた。まさに申し分のないゴルフだったが、最終日に向けて何か意識を変えたのか…。「何も変わったことをしていないので、ほんと“上ブレ”ですね。良かった方にブレが来ただけで、いつも通り、何も変わらずっていう感じなんですよね」
一貫した取り組みを続けながら、ようやく結果が出たのは最終日。もどかしさを隠せない口ぶりから察するに、やはりもっと早い段階でこの“上ブレ”が欲しかったはずだ。「間違いないですね。変なミスを初日からしてしまって、自ら流れを切ってしまい、2日目もやっぱりちょっと予選通過(が微妙なポジション)もあって苦しかったのはあります。ほんと、やっている内容は、ほぼ変わってないんで」と顔をしかめる。
それでも、カットライン上での予選通過から11位まで順位を上げてフィニッシュ。韓国での4日間の収穫は少なくなかったようだ。
「全体的な流れ、少しずつ自分のゲーム運びというか、そういうところがつかめてきました。後半戦で試合の流れの切り方や、流れのつかみ方が大事になってくると思うんです。きょうは初めてそれができた感じですね」。ショットやアプローチ、パットといった個々のメカニック的な要素ではなく、それらをプレーに落とし込んでスコアにつなげていく部分の変化を強調して前を見据える。
喫緊の目標でもある、10月の日米共催「ZOZOチャンピオンシップ」出場権獲得に弾みをつけた形。大会前週「日本オープン」までの賞金ランキング上位8人が切符を獲得。すでに出場資格を持つ金谷拓実がランク2位にいるため、現在11位の石川はまず9位以内を目指す。昨年プレーオフで惜敗した次週「ANAオープン」(札幌GC輪厚コース)の最終日(17日)は32歳のバースデー。日本に帰国し、すぐに北海道へ飛び立つ。(韓国・仁川/服部謙二郎)