帰らず待ってライバルを祝福 中島啓太は賞金1位陥落も「勉強になりました」
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 最終日(3日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)◇晴れ(観衆2008人)
先にプレーを終えていた中島啓太は、帰り支度を済ませた後で最終組を回る金谷拓実のホールアウトを待った。4打差圧勝を決めて引き揚げてきた2学年上のライバルを祝福。ガッチリ握手を交わしてねぎらい、抱き合った。
4打差を追って出た1番でボギーが先行。フェアウェイからハーフショットで狙ったセカンドがガードバンカーにつかまった。「そういうシーンが多かった」。スコアを伸ばしたい前半でパープレーにとどまったが、バックナインでも気持ちは切れていなかったという。
実測では90ydほどになる16番(パー3)は、60度のウェッジで「もちろんピンを狙っていました」。池に近い手前ピンを攻め込んでバーディを奪った。最終18番のボギーを含め、上がり2ホールに悔しさをにじませつつ、「難しいセッティングで、ちゃんと準備して練習してきた結果がバックナインのアンダーパー(ハーフ33)につながってくれたのかなと思う」と控えめにうなずいた。
通算2アンダー4位タイと上位で終えたが、賞金ランキングでは金谷に抜かれて2位に後退。「僕自身、これから毎週全部(の試合に)出るわけではない。休んでいる間に当然変動することもあると思いますし、あまり気にはしていないですけど、休んでしっかり準備して、その後のトーナメントに集中して、優勝まで行けたらいいなと思います」。あくまで、シーズンを終えた時に上回ることを目指す。
だからこそ、深いラフや硬いグリーンといった「メジャーみたいなセッティング」で戦えたことを収穫にする。「これからジャパンオープンもそうですし、深いラフがあるトーナメントも増えてくる。今週はラフから左に引っ掛けないことを(コーチの)ガレス(ジョーンズ)さんとも話してきた。秋のトーナメントに向けて勉強になりました」。今季何度も好勝負を演じてきた先輩に借りを返す機会は、まだまだ残っている。(山梨県河口湖町/亀山泰宏)