「邪念でした」 早大生アマ中野麟太朗は11位後退も初の予選通過
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 2日目(1日)◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)
後半16番(パー3)、アマチュアの中野麟太朗(早大)にとって重い重いダブルボギーが出た。「糸がプツンと切れちゃった感じです。ホントに紙一重だったと思うんで…」。ガードバンカーからの脱出に失敗した場面が悔しくてたまらない。
「もうちょっと行ってたら、パーもあったのかなとか“タラレバ”しちゃうんですけど…。それも含めて実力だなって」。潔く受け止めた。
これまで予選を通ったことがなかったレギュラーツアーで初日を1打差2位発進。「ちょっと上を目指したいなと思っちゃいました。邪念でした」。この日も2番でバーディが先行してトップに並んだ。リーダーボードの上位を飾る自分の名前に、どうしても期待が生まれたという。
「予選通過が目標だったのに、(いつの間にか)優勝が目標になっていた。自分に期待しすぎちゃって落としちゃった感じです。まだまだアマだなって」
前日はノーボギーで乗り切ったタフなインコースも、心身を消耗した後半にプレーすると厳しさがより鮮明になる。前半のパー5で“貯金”を作り切れなかったことも含めて、課題を突き付けられた。
最終18番、苦しかった一日のラストで1Wショットを振りちぎった。真っすぐ飛び出した会心の一打はフェアウェイを突き抜けて正面のラフまで転がる想定外。アドレナリンが出たのではなく「たぶんストレスです」と笑ったが、末恐ろしいポテンシャルを改めて見せつけた形だ。
悔しさいっぱいの「73」。それでも通算イーブンパー11位は、まだ首位と4ストロークしか離れていない。良かったことも悪かったことも、全てが経験となる19歳。5試合目で初となるレギュラーツアーの週末に向け、「フラットな気持ちで臨めたら」と顔を上げた。(山梨県河口湖町/亀山泰宏)