「50になるまで死にもの狂い」 ベテラン小林正則へのアドバイス
◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタ 2日目(25日)◇芥屋GC(福岡)◇7216yd(パー72)
ツアー3勝の小林正則が47歳で迎えたシーズンは、ここまで予選落ちが8回と苦しい。52位だった「中日クラウンズ」、42位の「ASO飯塚チャレンジド」に続く3回目の決勝ラウンド進出を決めても、「もう10年前とは全然レベルが違う。自分がそこそこのゴルフをしないと絶対に通らない」と底上げされたフィールドに思わずため息が漏れる。
昨年も賞金ランキングで141位と低迷。一方で22年ぶりに下部ツアー優勝を飾るなど、精力的なベテランのひとりとして汗をかいている。総じてみれば、パッティングがスコアメークの足かせになっていることを分かりつつ、今も足は自然とドライビングレンジに向く。
「ショット練習に時間をかける癖があって、パットに時間をかけられない。練習場から出れない状況になっちゃう。正直、ショットなんかうまくならないと分かってるんだけど、やっぱりやるっていう…。“ヘタを固める”タイプ」
スイングや球筋に光明が見えると、「8(ショット):2(パット)」になりがちな練習比率がようやく「6:4」になる。今週はピン型のパターをネオマレット型にスイッチ。1ピン前後のチャンスをしっかり生かし、2日間で9アンダーと上位で週末を迎えられる。
思うような成績が出ない日々。「昔はすごく落ち込んだかもしれないけど、この齢でゴルフをやらせてもらっているだけでもありがたい。応援してくれる人もいる」と感謝しながら、ただ時間に身を任せるつもりもない。「ダメだったらQTを頑張ればいい。アジアンツアーにも行けばいい」と、簡単には第一線での挑戦をあきらめられない。
先輩たちからの助言も胸に響いている。「このままシニアに行っても頑張れない。そんな甘いと思っていない。宮本(勝昌)先輩、(手嶋)多一さんにも言われてる。『50(歳)になるまでは一生懸命、死にもの狂いでやった方がいい』と。宮本先輩なんか簡単に勝てそうで、ようやく勝ったって感じだしね」。宮本は前週、シニア2年目、通算9試合目にして初勝利。レベルが上がっているのは何もレギュラーだけではない。
上位でティオフする週末も「あしたも60台、あさっても60台」が目標。いくつになっても地道な積み重ねは終わらない。(福岡県糸島市/桂川洋一)