持ち球は朝決める 蝉川泰果と同級生・鈴木晃祐の自然体
◇国内男子◇横浜ミナト チャンピオンシップ ~Fujiki Centennial~ 2日目(4日)◇横浜CC(神奈川)◇パー71(7231yd)◇晴れ(1493人)
ゴルファーの多くにはショットに“持ち球”がある。ドローにフェードにストレート…曲がり幅や高さは人それぞれで、誰にとってもコース攻略の前提になりうる要素のひとつ。23歳の鈴木晃祐にとってはそれが、毎日違うという。
その日の持ち球を判断するのはスタート前のドライビングレンジ。「朝の練習でどんな感じかというのを決めて。体の回転や調子、可動域なんかでちょっと変わってくる」と、日々変わるコンディションを優先して、無理やり型にハメるようなことはしない。「最近はフェードが多いですね」という“持ち球”で、横浜CCでの予選ラウンドを首位と4打差、通算6アンダーの5位で通過した。
西武台千葉高2年時に「日本ジュニア」を制し、同級生の蝉川泰果と東北福祉大のゴルフ部を引っ張ってきた。ナショナルチーム時代の経験も引っ提げ、QTランク30位で迎えた開幕時の主戦場、下部ABEMAツアーで2戦目の「i Golf Shaper Challenge in 筑紫ヶ丘」から2連勝。同シーズン内にレギュラーツアー出場権を獲得できる「年間3勝」にあと1勝に迫っている。
今季のレギュラーでは「関西オープン」3位をはじめ3回のトップ10入りがあるが、両ツアーの往復はちょっと大変。コースセッティングに違いがあり、下部のグリーンスピードとの差に手を焼くことも少なくない。
11フィート前後に設定されるレギュラーの速さに、多くの試合で及ばない。「この前は9フィートとかもあって…。“一生”ショートしてました。僕は振り幅が小さくミスを少なくしている。遅くなると(振り幅が大きくなって)ミスが出るので苦手ですね」と対応に必死になっている。
“リーチ”をかけている「下部3勝」よりも、目指すべきはレギュラーツアーの来季のシード権。賞金ランキング21位(約1486万円)でも油断するわけにはいかない。「1日目、2日目と同じことをやるだけ。一打一打に集中という感じです」。4アンダー10位にいる蝉川のスコアはプレー中に“チラ見”する程度。「結局自分のプレーなんで。あまり意識しないように」と、あすの朝も自然体を貫く。(横浜市保土ケ谷区/桂川洋一)