こじ開けた米下部ツアーの扉 大西魁斗&桂川有人は1月から新天地へ
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 事前情報(16日)◇フェニックスCC(宮崎)◇7042yd(パー71)
2023年の米下部コーンフェリーツアーの出場権をかけた最終予選会(米ジョージア州)に挑戦した大西魁斗と桂川有人が国内ツアーに帰ってきた。それぞれ限定された試合数への出場見込みが立つ順位で終え、来年1月にバハマで開幕するシーズンの序盤戦に向けて早くも意気込んだ。
大西は4日間の戦いを12位で終え、開幕戦から8試合が保障される「11位から40位タイ」のカテゴリに入った。「めっちゃ暑くて熱中症になるくらい」というタフな気候にも苦しめられながら、南カリフォルニア大時代のチームメートをキャディに据えて奮闘した。
ルーキーイヤーの今季、国内ツアーは「フジサンケイクラシック」の優勝などで来シーズンのシードを確保している。会場で在米時代の仲間と再会を喜びつつ、「僕は日本のツアーカードを持っているのでちょっと気楽にできるかなと思ったけれど、実際やってみたら周りの人と同じで、一球一球の重みが違いました」と味わった緊張感は格別だった。
12月の国内最終戦「日本シリーズJTカップ」を終えると、年明けには渡米の準備に入る。オフで体を十分休ませるヒマもない。「幸せと言えば幸せで。学校の2週間くらいの冬休みみたいなのを満喫して向かいます」と意気込んだ。
45位タイだった桂川のステータスは大西より低く、出場機会は開幕戦から第1回リシャッフルまでの数試合に限定されそうだ。40位のラインに1打届かなかったが、パッティングに苦しみ続けた最終日に「64」をたたき出して3日目終了時の112位からジャンプアップした。
シーズン半ばから海外挑戦の思いを貫き、結果にこだわってきた。「1打足りなかったんですけど、最後に7アンダーで回ったのはこれからの自分のゴルフ人生にプラスになるようなことだったと思う」と収穫も感じている。
先行きが見えないサバイバルが続く立場だが、出場権が得られればどこへでも「行きます。そのために受けたので」ときっぱり。ツアー2年目の今年は、前シーズンの下部ABEMAツアー賞金ランキング3位の資格でレギュラーツアーに参戦。後半戦の出場が不透明なまま、4月に早々に「ISPS HANDA 欧州・日本、とりあえず今年は日本」で1勝し、海外挑戦のチャンスも得た。
「(23年も)今年みたいな感じです。今年やってきたことの“アメリカ版”。出られるチャンスを生かしてシードを取りたい。試合に出ることが大事だと思うので頑張って権利を得て挑戦していくしかない」。芯が通った考えは変わらない。(宮崎市/桂川洋一)