「良い基準」石川遼は“バロメーター”のクラブでのショットから再浮上
◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 2日目(16日)◇札幌GC輪厚コース(北海道)◇7063yd(パー72)
誕生日は望み通り、大好きなコースで迎えられる。8位で出た石川遼は2ボギーをたたいてから、4バーディを取り返す「70」で通算8アンダーの12位で決勝ラウンド進出を決めた。「自分では予選通過も危ういなという感じのゴルフ」をアンダーパーでまとめ、大会3日目のあす17日(土)に31歳になる。
3パットにした前半8番(パー3)で2つ目のボギー、後退ムードは折り返しの9番(パー5)で断ち切った。1Wでフェアウェイをとらえた直後、残り255ydの3UTでの2打目をグリーンエッジ手前まで運び3オン1パットでバーディを奪った。
ロフト角19度の「キャロウェイ APEX UW」は最近、スタート前の打撃練習場での“締めのクラブ”でもある。「スイングのタイミング、プレーンがしっかり弾道に出てくれる。『あのクラブでこの球が出ていれば、ある程度、(ダウンスイングで)良いところから入っているな』といった、良い基準になっている」という現在のバロメーターともいえる1本で流れを好転。後半は13番から2打目で作った4m以内のチャンスを生かし続け、バーディを3つ並べた。
スタート序盤はショットが右に流れるシーンが多く、「きょうのゴルフは自分的には40点か50点」と自己採点は厳しい。後半12番(パー5)では1Wで強いフェードボールでフェアウェイをとらえながら、その後が続かずパーに終わったのも口惜しいシーンだった。首位との差は初日終了時の2ストロークから広がる結果に。「ただ、まだ改善すればチャンスはある」と前を向く。
決勝ラウンドに残れなければ、バースデーを前にコースを去らなくてはならなかった。「しっかりスコアの提出も終わって、ひとつよかったかな」と笑った。「楽しくやれるように、やるべきことをしっかりやりたい。あしたはきょうよりももう少し良いラウンドができれば」と優勝争いへの意欲は隠さなかった。(北海道北広島市/桂川洋一)