地元出身の木下稜介は“教え子”の応援で優勝戦線へ 「すごい力になった」
◇国内男子◇シンハン ドンヘ オープン 2日目(9日)◇KOMAカントリークラブ(奈良県)◇7065yd(パー71)
3アンダー34位から出た木下稜介が8バーディ、2ボギー「65」をマークし、通算9アンダーまでスコアを伸ばした。
当初予定では7時スタートの2日目だったが、朝から降り続いた強い雨の影響でスタートが90分も遅れた。早朝4時に起床して準備をしていた木下も「90分遅れと聞いたときは『その分、寝たかった』と思った」と影響は大きかったが、「ロッカーでゆっくりできたので良かった。ロッカーでは身体が固まらないように、ストレッチとかをしながら過ごした」。プラスにとらえて空いた時間を有効活用した。
遅延の影響もあってか、出だしの10番で3mのパットが入らずボギー発進したが、「くじけそうになった」ところをグッとこらえて、続く11番で4mのバーディパットを沈めてバウンスバック。15番でもボギーをたたいたが、16番から4連続バーディを奪って流れに乗った。後半4番からは2m、4m、5mのパットをねじ込んで3連続バーディを奪ってリーダーボードを駆け上がった。「あしたにつながるかな」とうなずいた。
地元・奈良を舞台に開催されている今大会。この日は「自分が経験したことを奈良県のジュニアに伝えたいのと、将来世界で戦えるプレーヤーが育ってくれれば」と、木下自身が今年から講師を務めている「奈良県ジュニアゴルフクラブ」の生徒が応援に駆けつけた。「前半は流れが悪くて少しフラストレーションがたまってたけど、子どもたちにいいプレーを見せたかったので、その思いが後半につながったかなと思う」と“先生”の意地を見せた。
好位置で迎える週末。「(応援が)すごい力になった。週末はもっと来てくれると思うので、優勝する姿を見せられれば。その子たちがプロになるまで僕が生き残っていなければならないし、それがモチベーションにもなる」と力を込める。
「奈良でのツアーは少ないので、このチャンスをモノにしたい」。教え子たちの前での地元Vが、最高の“教材”になる。(奈良市/内山孝志朗)