ニアピン対決でプロと真剣勝負 ジュニアゴルファーたちは何を感じた?
◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 3日目(25日)◇西那須野CC(栃木県)◇7036yd(パー72)
梅雨晴れの土曜日、1つのホールにひときわ多くのギャラリーが集まっていた。
選手会が主催する今大会は様々なイベントが催された。目玉企画のひとつが「プロに挑戦!!~いっぽんチャレンジ~」。地元のゴルフ部に所属する高校生5人と、決勝ラウンドで優勝争い真っ只中のプロが、同じティからショットを放ちガチンコのニアピン対決を行う、というものだ。
大会の実行委員長を務める宮里優作は、欧米ツアーでは一般的に行われている「Beat the Pro」というイベントを参考に「ちょっとでもプロのステージに立ってもらうことで、ジュニアにプロがどういうことをしているのかを感じてほしい。それでプロを目指してくれたり、将来の夢が広がれば」との期待を込めて、企画を発案した。
イベント開始の約1時間前、舞台となる8番ホール(135yd)に到着すると、プロと対決するジュニアたちがソワソワしていた。何度も水に口をつけたり、入念に素振りを行ったり、レーザー距離計を持ち出して綿密に戦略を立てたり…。それぞれ行動は異なるが、一人ひとりの緊張感が伝わる。
将来の夢は「プロゴルファー」、尊敬するゴルファーは「畑岡奈紗さん」と話す角田愛理さん(佐野日大高2年)は池田勇太、桂川有人、勝亦悠斗の3人と対決した。緊張しながらも放ったショットは惜しくもグリーンに乗らなかったが、プロ全員からサインボールをプレゼントされ、「部屋に飾ります!」と笑みを浮かべた。
常盤和也さん(作新学院高1年)は最終組の佐藤大平、宮本勝昌、織田信亮の3人が現れると「空気が変わった」と息をのんだ。宮本がピン20cmのベタピンを披露した後に放ったショットは、わずかにグリーンをオーバー。惜しくも敗れたが、プロと同じ舞台で対決できたことに「あの緊張感の中で良いショットが打てたのは、今後の自信になります」。
宮本は「非常に良い試み。新しいことを始めてうまく発信し、ほかの主催者の耳にも入ってくれれば。地道なことをやり続ければ、男子ツアーの盛り上がりにつながる可能性は十分にある」と語った。
稲森佑貴は「試合中だからこその、リアリティのある一発勝負の緊張感を味わえるのはいい経験になると思う」と取り組みに賛同した。
イベントは残念ながら?プロの全勝に終わったが、その高い壁を肌で感じたジュニアたちは、より一層目を輝かせていた。(栃木県那須塩原市/内山孝志朗)