2022年 関西オープン

「実力以上のものをもらってきた」 “石川遼の弟”がプロデビュー戦終える

2022/04/16 07:18
プロデビュー戦を終えた石川航

◇国内男子◇関西オープンゴルフ選手権競技 2日目(15日)◇よみうりカントリークラブ(兵庫県)◇7180yd(パー71)

自分が思う実力と、周りから与えられるもののギャップに悩むことは何度もあった。145位の予選落ちで幕を閉じた、石川航のプロデビュー戦。昨年末にプロ転向したが、ツアー出場権をかけた予選会(QT)はサードステージで敗退し、この大会は推薦での出場だった。

「推薦をいただいたり、実力以上のものをもらっていた。周囲がどう見ているんだろうという思いもありました」。“石川遼の弟”として飛び込んだゴルフ界。アマチュア時代から、同世代の選手に比べて多くのチャンスをもらってきた。同時に、会場に着いてもなかなか車からコースに足が向かないほどプレッシャーに悩み、自問自答することもあった。

同学年の河本力杉原大河らが実績を積んでいく中、「周りの選手たちの中で、自分は実力ですごく負けている」と焦りと悔しさは募る一方。

ツアーの出場資格がない今年は予選会や、推薦を生かしてツアー出場の機会を探る1年になる。「今後、QTに通って出場権を得て、後から実力がついていけば問題ないと思っています」と厳しい道でも前を向けるのは、兄を見てゴルフの楽しさを知っているからだ。試合に出場する機会があれば、自分のプレーの合間には観戦のためにコースに出ることも少なくない。今週も初日に午前中でホールアウトすると、午後組の兄のプレーを見るために10ホールをついて歩いた。

「同級生はプロとして、みんな自覚を持ってやっている。自分にはそういうものが足りないと痛感しています。周りの選手に負けないように、頑張りたい」。兄の背中を追いかけながら、ひとりのゴルファーとしてのキャリアが幕を開けるのはここからだ。(兵庫県西宮市/谷口愛純)

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