コロナ感染隔離で一念発起 松山と同年代の田村光正が7位浮上
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 3日目(2日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7081yd(パー71)
2020年12月、田村光正(たむら・みつまさ)はどん底にいた。新型コロナウイルス禍により、2019年のQTで出場権を獲得できなかった選手への救済措置として実施された特別QTに参戦する前に新型コロナウイルスに感染。挑戦の機会すらないまま翌21年を迎え、「くじけそうだった」と振り返る。
父親の影響でゴルフを始め、関西学院高から東北福祉大に進学。松山英樹、木下稜介らと同学年にあたる。大学4年の時にQTに挑戦するもサードで敗退し、一時は「違うことをやってみたい」とゴルフ界から離れて社会人に。それでも先輩や同年代の選手が活躍する姿に心が揺れ動き、再チャレンジの道を選んだ。
ただ、プロの世界は甘くはなかった。2018年にレギュラーツアー8試合に出場したが、結果はついてこなかった。そんななか、20年に新型コロナに感染して10日間の隔離措置。半ば強制的に自分自身と向き合うことになり、「このままではツアーでは上がれない」と思い直したという。
29歳で国内メジャーVを含むツアー2勝を挙げた木下の活躍も刺激になった。「彼の結果と行動がすごいなって。そこから自分も、『この舞台で活躍するんだ』と思うように(なった)」。これまで注力してこなかったトレーニングを見直してトレーナーをつけ、「毎日、勝つんだ」と言い聞かせて練習に没頭した。必然的に「飲んでいる時間がない」とお酒も口にしなくなった。
今大会には前年度のQTランキング11位の資格で出場。スコアの伸ばし合いが白熱するムービングデーで、7バーディ、1ボギーの「65」をマークして26位から7位に浮上した。フィールドではベストのスコアに「鍛錬の成果が出てきた。正直(言って)、この結果には驚いていない」と練習で裏付けられた自信がある。目下の目標は「初シード獲得」だが、賞金王のタイトルも夢で終わらせるつもりはない。(三重県桑名市/石井操)