目標は1年後のマスターズ 木下稜介は「世界に挑戦」
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 事前(30日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7081yd(パー71)
米男子PGAツアー初挑戦から始まり、国内ツアー2勝、海外メジャーにも参戦と激動の2021年を過ごした木下稜介は「こんなにカメラマンや記者の方々に追いかけられることはなかったので緊張する場面もあったけど、見える景色は変わってきた。『世界に挑戦したい』ってこの一年で思った」と振り返った。
それでも思わぬ形で今季は始まった。昨年12月23日に大阪から羽田行きの飛行機で移動していると「気絶しそうな」腹痛に見舞われ、病院に担ぎ込まれた。診断の結果は「急性虫垂炎」で、医師から手術をしなければ再発する恐れがあると伝えられた。
年明けにハワイでの米ツアー「ソニーオープン」に出場する予定だったが、「痛みに耐えながら5分考えて手術しました」。手術後は5日の入院を経て回復。しかし、退院後の数日は「腹筋に力が入らなかった」と振り返った。
22年の初戦となった2月「サウジインターナショナル」は8位、3月の「インターナショナルシリーズ タイランド」は5位とアジアンツアー2戦でトップ10入りしたが、もともとは米ツアー「WGCデルテクノロジーズ・マッチプレー」(3月)と海外メジャー「マスターズ」(4月)出場を狙う海外渡航だった。
「残念ながら(2試合の出場は)叶わなかったので、今年は年末までに世界ランク50位以内に入って、絶対に行けるように。今年はマスターズを目標に戦っていきたい」と決意を口にした。
すでに今年は5月19日開幕の海外メジャー「全米プロゴルフ選手権」(オクラホマ州・サザンヒルズCC)の出場は決定。ただ、海外メジャー「全英オープン」(7月14日~17日/スコットランド・セントアンドリュース オールドコース)の日本予選会ともなる翌週の国内ツアー「ミズノオープン」(5月26日~29日/岡山・JFE瀬戸内海GC)の出場は厳しくなる。
昨年の全英では多くのギャラリーに囲まれてのプレーが記憶にあり、「マスターズの次に行きたいメジャー」とあって、世界ランキング76位から順位を上げられるかが重要となる。
6月16日に開幕する海外メジャー「全米オープン」(マサチューセッツ州・ザ・カントリークラブ)も大会前週に行われる米国での予選会に挑戦するつもり。「日本だけじゃなく世界の試合に積極的に出ていきたい」と目を輝かせる。
これまで以上に世界を駆け回ることになりそうだが、それも本望。ただし、まずは昨年大会の最終日最終組で優勝争いを演じるも4位に終わった国内初戦で結果を求める。(三重県桑名市/石井操)