石川遼も「すげえ!」 日本ツアー2人目の「58」はキム・ソンヒョン
◇国内男子◇ゴルフパートナー PRO-AMトーナメント 最終日(23日)◇取手国際GC(茨城県)◇6804yd(パー70)
伸ばし合いが展開された国内初のプロアマ形式となる大会は、最後に大きなサプライズが待っていた。2019年からツアーに参戦する22歳、キム・ソンヒョン(韓国)がツアー最少ストロークに並ぶ「58」をマーク。11年前の「中日クラウンズ」最終日に同じマジックナンバーをたたき出した石川遼も思わず「すげえ!」と声を上げた。
“裏街道”となる5アンダー62位スタート。出だし10番から12番まで3連続バーディを奪うと、13番ではフェアウェイから残り56ydほどの2打目を60度でチップインイーグル。16番(パー3)、18番でもバーディとして「28」で折り返した。
後半は7Iで3mに絡めた2番(パー3)からまず2連続バーディ。普段なら「守りに入りがちになる」というメンタルだが、「今日はなぜか果敢に、攻撃的にプレーができた」と振り返る。“ゾーン”に入ったかのように、アクセルを踏み続けた。
8番は右ラフから残り約87ydを60度で1.5mにつけて8個目。最終9番(パー5)のフィニッシュも圧巻だった。左ラフから残り220ydを8Iでピンそば3mに2オン。2個目のイーグルで怒涛(どとう)のラウンドを締めくくり、通算17アンダーで順位も11位までジャンプアップを果たした
2017年末にプロ転向。アマチュア時代に何度か試合で訪れたきっかけから抱いた日本でプレーしたいという意思は、尊敬してやまないキム・キョンテの存在で明確になった。QTを経て19年から日本ツアーに参戦した。
ただ、日本での戦いに専念した19年は韓国ツアーのQTを受けられず、コロナ禍の昨年は苦境に立たされた。試合数の激減に加え、シードを持つ日本へ渡ることも、母国のレギュラーツアーに出ることもままならない。韓国で下部ツアーやマンデートーナメント(予選会)から出場権をもぎ取ったレギュラーツアーで優勝を飾り、必死に牙を研いで迎えた21年だった。
今年は米下部コーンフェリーツアーのQTにも挑戦を予定しており、「将来的にはPGAツアーで勝つことが目標です」と力強い。武器は平均飛距離300yd級の1Wショットで憧れの選手はタイガー・ウッズ。また一人、注目の選手の登場となった。(茨城県つくばみらい市/石井操)