2021年 東建ホームメイトカップ

「中止」発表の舞台裏 JGTOと大会主催者で食い違い

2021/04/19 13:30
コロナ陽性者が判明し、短縮競技となった2021年初戦

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 最終日(18日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7081yd(パー71)

新型コロナウイルス陽性選手の判明などで3日目が中止となり、54ホールの短縮競技となった2021年初戦。日本ゴルフツアー機構(JGTO)は18日、「新型コロナ陽性者判明に関するご報告」とするリリースを出した。当該選手の状況や症状のほか、「3日目中止」の理由がJGTOと大会主催者の東建コーポレーションで食い違いがあった経緯などを説明している。

JGTOは16日に新型コロナウイルス選手の陽性が判明したため17日の3日目を中止すると発表したが、東建はその後、「東建ホームメイトカップ大会3日目の雨天中止について」とリリースを出し、合わせてコロナ陽性選手の経緯も説明した。

中止理由が別のリリースを出したことについて、東建は「大会当初より3日目の天候が悪いことは予報から明らかだったためJGTOと大会事務局との間で3日目の中止を検討」。当日発表となるとクラブハウス内で密集状況が発生する懸念があったため、前日に「雨天中止」の発表を考えていたという。その状況下でコロナ陽性選手が判明したことを受け、JGTOがコロナを要因とした中止を発表。その後、東建は「雨天を理由とした中止」の内容に変更した、という。

JGTOの関係者は「たらればになるが」と前置きをして、「雨天でなければ、保健所などの指導のもと会場の消毒作業を行うなどコロナ感染予防対策をした上で3日目もあったかもしれない」という。今後のツアー運営にもかかわるため、大会主催者側がコロナ起因による中止という前例をつくりたくなかった、とみる向きもある。

一方、最終日の実施決定に時間がかかり、前日夜になったことについて、東建は「大会期間中に建物内でのマスク未着用の選手が多数見られるだけでなくマスク着用に反論する選手がいたり、練習風景やラウンド中に至るまで感染症予防対策が徹底されていなかったことから、万が一の感染クラスターの発生を回避するため、感染予防対策の徹底を周知する内容を追記するべくその作成に時間を要した」と、選手サイドの問題点も取り上げて説明した。

なお、JGTOは、新型コロナ陽性判明者と濃厚接触者について、「JGTO新型コロナウイルス感染症対策特別トーナメント規定」に基づき対応。陽性者は発症日から10日間経過する必要があるため、早くて4月29日開幕の「中日クラウンズ」からの出場となり、濃厚接触者は認定から14日間の自主隔離が必要となるため、早くて5月6日開幕の「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品」からの出場になる、としている。

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