3年シードの“真価”をついに発揮 若手はチャンス!の最終戦
◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日(3日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)
今季から主戦場を日本に戻し、無観客開催が続くシーズンを戦う谷原秀人は「若手はいまがチャンス!」と笑顔で発破をかける。
「お客さんがいた方が歓声が力になるし、(一方で)プレッシャーがかかる部分もある。優勝争いをしていても、“本当のプレッシャー”っていうのは少ないと思う。日本オープンでも、全然違った。(プレッシャーは)半減か、それ以上かもしれない。そういう意味で、若手はすごくやりやすい部分もあるんじゃないですかね。だから、チャンス!」。10月の「日本オープン」で2位に入った42歳は、実感を込めて話す。
谷原の言葉とは違う面でも、今大会には大きなチャンスが転がっている。試合数の減少で出場資格を大幅に変更した2020年最終戦。日本タイトルの一角として優勝には例年と同じ、翌シーズンからの3年シードが付与されるが、意味するところは大きく違う。
本来なら年間のツアー優勝者がフィールドの多数を占める大会。1年前を振り返っても、シーズン未勝利で出場したのは10人だった。規定で2勝すれば3年シードが得られる国内男子ツアーの選手たちにとって、最終戦の1勝だけで3年シードを勝ち取るケースは意外に少ない側面もあった。
しかし、コロナ禍のシーズンはこれがまだ6試合目。1月の「SMBCシンガポールオープン」を勝ったのはPGAツアーで戦うマット・クーチャーだったため、フィールドにいる優勝者は4人だけ。阿久津未来也、小斉平優和、内藤寛太郎、杉山知靖、石坂友宏と今季シードを持っていなかった選手も5人いる。
初日は阿久津と杉山が4アンダー3位タイにつける好発進。初タイトル獲得となれば、2022年シーズンからの3年シードというビッグな特典が待っている。(東京都稲城市/亀山泰宏)