【GDO EYE】心酔するジャンボと同じ道を歩む23歳、池田勇太
2009/06/14 19:24
「日本プロゴルフ選手権」最終日。36ホールに渡る戦いを制してリーダーズボードのトップで終えたのは、弱冠23歳、プロ2年目の池田勇太だった。アマチュア時代からその名を馳せ、ゴルフの名門・東北福祉大在学中も数々のタイトルを獲得。「こんなに早く勝てるとは思わなかった」と、自身の予想をも超える速さでプロ初勝利を手にした。
メジャーで初勝利を飾る快挙については、「僕にとっては1試合1試合全部が、1つの大きな大会。たまたまメジャーだっただけで、どの試合にも変わりはないです」と無関心。それよりも池田にとっては、ある1つの事実が大きな意味を占めるのである。
池田がツアーで着用するのは、一回り大き目なシャツに、今では珍しい3タックの太いズボン。そう、あのジャンボ尾崎とほぼ同じスタイル。6歳のころから現在に至るまで、とにかくジャンボに対する憧れは人一倍強い。そして、「日本プロゴルフ選手権」こそジャンボが1971年に24歳でツアー初優勝を遂げた大会。しかも2日目が雨で中止となったため、最終日は36ホールで競われたことまで、まるで38年前の再現のように一致するのだ。
「その話を昨日聞いて、“勝ちたい”と強く思いました。同じような形で優勝できたことを誇りに感じます」。胸を張り、肩で風を切るように歩く堂々とした立ち居振る舞い。会場に駆けつけた東北福祉大学の後輩から胴上げを受け、明日はその後輩たちにゴルフ指導を行う面倒見の良い兄貴分。そして、「余裕があって切羽詰った感じもなく、気持ち良くプレーできたし(優勝の実感は)アマの時と変わりはない」という強心臓。まさに、ジャンボと同じ道を歩むかのような23歳の豪傑に、今後は石川遼と並び熱い視線が注がれることだろう。