金谷拓実は2020年初戦 東京五輪にも意欲「チャンス増えた」
◇国内男子◇フジサンケイクラシック 事前情報(1日)◇富士桜カントリー倶楽部(山梨)◇7566yd(パー71)
アマチュアの金谷拓実(東北福祉大4年)にとって今大会は2020年最初の公式戦だ。日本ツアー出場は昨年11月、倉本昌弘、石川遼、松山英樹に続くツアー史上4人目のアマチュア優勝となった「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来。学生の試合も含めて、同12月の豪州ツアー「エミレーツ・オーストラリアオープン」を最後にシーズンから離れていた。
コロナ禍で4月から2カ月以上は広島の実家に身を寄せていた。ナショナルチームのコーチが作成したトレーニングメニューを受け取るなどして、自主練の毎日を過ごした。仙台の大学に戻り、最終学年でキャプテンを務めるゴルフ部の活動は先月下旬にようやく再開。試合勘不足は否めなくとも「やっぱり緊張もあるんですけど、試合に出られる楽しみ、ワクワクのほうが多い」とティオフを待ちわびた。
今大会終了後は17日(木)開幕の「全米オープン」(ニューヨーク州ウイングドフットGC)に備えて渡米の準備に入る。大会は例年の予選会が世界的に中止されたことから、ことしは世界アマチュアランキング上位7人に出場資格が設けられた。「ネットニュースで知りました。すごくうれしかったし、しっかり練習しようと思いました」。東北福祉大は在学生の海外渡航禁止を継続しながら、出場チャンスが巡ってくることを想定してあらかじめ渡米を特別許可。世界アマランク1位選手として満を持して出場する。
来春に卒業を控え、プロ転向の日は近い。早期の海外挑戦の思いを抱き、海の向こうに刺激がたくさんある。同世代が活躍するPGAツアー。「ホアキン・ニーマン(チリ)なんかはジュニアの試合に一緒に出ていた。(ポイントランク)30位に入ってツアー選手権にも出る。松山選手の結果はずっとチェックしていて、先週は優勝まであと一歩で、すごいなあ…と。練習して早く追いつけるようにしたい」。プロを含めた世界ランキングでは現在、日本勢で10番目。来年に延期された「東京五輪」についても「出られるチャンスが増えたと思う」と代表争いへの意欲を口にした。
夢はふくらんでも態度は実直そのもの。今平周吾、石川遼と同組に入った予選ラウンドも「トッププロ2人と回れてうれしい。けれど、自分は自分のプレーに徹してベストを尽くしたい」と冷静だ。初めてプレーする富士桜CCの攻略ポイントを「パッティングですかね。グリーンが大きいので、ただ決めるだけじゃなくて、長い距離をしっかり2パットでいきたい」と見定めた。「当たり前のことを、当たり前にやること」。スタイルをひたすらに貫く。(山梨県富士河口湖町/桂川洋一)