リオ五輪金メダリストも東京に向け「まずは“出ること”」に全力
◇国内男子&アジアンツアー◇SMBCシンガポールオープン 事前(14日)◇セントーサGC(シンガポール)◇7398yd(パー71)
日本男子ツアーとアジアンツアーの共同主管競技に、2016年「リオデジャネイロ五輪」のメダリストが集結した。金のジャスティン・ローズ(イングランド)、銀のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、銅のマット・クーチャーがそろって出場。4年前と同じように7月末の「東京」に向け、多忙なスケジュールを懸念材料に挙げた。
前回112年ぶりとなるゴルフの金メダルの防衛は、ローズにとって「大きな目標」だという。「ただし、できるだけポイントを稼いで英国チームに入れるようにしなければ」。世界ランキングは現在9位で代表のトップにいるが、10位にトミー・フリートウッド、17位にポール・ケーシーがいて気を抜けない。スウェーデンの2番手以下を引き離しているステンソン(同26位)も安泰そうで「出られる保証はない」。クーチャーに至っては、実力者揃いの米国で13番手と現状は厳しいポジションにいる。
ゴルファーのキャリア最大のゴールは、年4回のメジャーにあった。少なくとも4年以上前までは…。そこに五輪メダルという魅力が加わり、オリンピックイヤーは多忙を極めることに。
昨年、「全米プロ」が8月から5月に開催時期をずらし、男子メジャーは4月から7月まで毎月行われるようになった。「ビッグイベントにフレッシュな状態で臨みたい。スケジュールの変更があった去年の一年から、僕らが学ぶことは多かった」と、大会初日となる7月30日は40歳の誕生日になるローズ。「全英オープン翌週の水曜日に東京に入ると思う。(男子競技はその翌週=全英の2週後で)準備時間があまりない。その1カ月くらい前から準備する必要がある」。ステンソンも「夏場は本当に忙しいスケジュール。(東京で)時差ボケも治さなくてはいけない」と約半年後を見据えた。
リオの直後はクーチャーが獲得したメダルをしばらくバックパックに入れてツアー会場に持ち込んだり、ステンソンは息子が学校に銀メダルを持って行って、少し傷をつけて帰ってきたりしたそう。東京のメダリストたちにはどんなエピソードが訪れるか。(シンガポール/桂川洋一)