46歳のスイング改造 片山晋呉が3打差5位で最終日へ
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(16日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)
大会2勝の片山晋呉が首位に3打差の5位タイでムービングデーを終えた。前日から2日続けて「67」をマークして通算5アンダー。この日は2つスコアを落として迎えたバックナインで5バーディを奪取し、2017年「ISPSハンダマッチプレー選手権」以来となる通算32勝目に近づいた。
「10回に1回、成功するかどうか」という場面は最後に訪れた。最終18番(パー5)、3打目はグリーン左からのバンカーショット。下り傾斜の向こうには池が口をあけている。「技術を使うしかなかった」というウェッジでの一打はピン奥2mで静かに止まり、バーディパットをしっかり沈めた。
アマチュアの21歳、金谷拓実(東北福祉大3年)が最上段にいるリーダーボードで、永久シード選手の名前は不気味だ。2008年、15年に当地で優勝。昨年リニューアルされたコースは「良いところはグリーン周りが難しくなったところ。日本では土壌や水はけの関係もあって、砲台グリーンが多くある。それを思い切って“一辺倒”でなくしてくれた。グリーンの形状を変えていないのに、変わっているように見えたり、視覚的な効果が出ている」と変化を感じている。
最終日を前にした心境は「勝つ、勝たないは時の運。相手もいることだし」と、さすがに落ち着いたもの。タイトルへの欲よりも、最近は“スイング改造”への手応えが心を躍らせる。海外の最新情報を取り入れ、今季は下半身を大きく動かして体の回転力を高め、効率的にボールにパワーを伝える動作をずっと模索してきた。チューブが付属したベルト式の練習器具(Tour StrikerのPlane Mate)を米国から注文し、5カ月待って配達された9月末から各会場で振り込んでいる。
「(器具をつけると)最初はアイアンで10球打って9球はシャンクしていたけど、いまはドライバーでも打てるようになったよ」と感じる“上達”の効果は、飛距離でも実感。「ブレンダン(ジョーンズ)と一緒に回って、同じところまで何回も行った。去年は30ydくらい負けていたのにね」と表情がほころぶ。46歳のゴルフへの探求心はいまも高くキープされたまま。「優勝争いをしても崩れないかな…という感触にはなってきたかな」と静かにうなずいた。(静岡県御殿場市/桂川洋一)