選択は吉と出るか 今平周吾が日本に残ったワケ
◇国内男子◇マイナビABC選手権 事前(30日)◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7200yd(パー72)
国内ツアーか、世界ゴルフ選手権(WGC)か。同週に催される2大会の選択を迫られた今平周吾は、同じ状況だった昨年に続いて日本に残ることを選んだ。賞金ランキング上位の資格で出場権を得た「WGC HSBCチャンピオンズ」(中国)を2年連続で辞退したことについて、「疲れもあったし、調子自体もイマイチなので良い成績を望めない」ことを理由に挙げた。
その選択には、もちろん2年連続の賞金タイトルに向けた計算もある。WGCは賞金総額や世界ランキングの付与ポイントが高い一方で、獲得賞金は国内ツアーに加算されない。賞金ランクは現時点で、トップのチャン・キム(米国)に約390万円差の2位と好位置をキープ。「いい位置にいるし(賞金タイトルの)チャンスもあるので、頑張っていきたい」と、改めてタイトル防衛に向けて意気込んだ。
そのキムは、今週「HSBC-」出場を選んだことで不在。さらに同3位の石川遼、同4位のジャズ・ジェーンワタナノンド(タイ)らライバルたちも中国へ渡り、トップ4人で日本に残ったのは今平ただ一人だ。1年前の今大会では4位タイに入り、しっかりと660万円の加算に成功してもいる。
世界ランクポイントで見れば、WGCは予選落ちがない4日間大会とあり、ポイントを稼ぐチャンスが広がる大会だ。現在は53位の位置におり、来年の海外メジャー初戦「マスターズ」の出場権が得られる年末50位以内を確保したいところだが、「それも確かにあるけれど、日本でも世界ランクは上げることはできる」と迷いはなかった。
この2週間はショットの調子が下降線をたどり、「日本オープン」12位、「ZOZOチャンピオンシップ」59位と優勝争いに絡めていないが、「今週は好きなコースなので頑張りたい」と闘志を見せる。「優勝できる可能性があるほうがいい」との判断で残った国内ツアーに、必勝の構えで臨む。(兵庫県加東市/塚田達也)