6817ydをワイドに 石川遼の古賀GC攻略のカギ
◇国内男子メジャー第3戦◇日本オープンゴルフ選手権競技 事前(16日)◇古賀ゴルフ・クラブ(福岡)◇6817yd(パー71)
1927年に始まった日本のナショナルオープンはことしで84回目の開催を迎える。大会初優勝、7月の「日本プロ」に続く国内メジャー連勝がかかる石川遼は「タイトルの重みは意外と勝ってから分かってくるような気がしている。(キャリアの)最初のほう、“何も分からないうち”に勝ちたかったという思いもある」という。11年前、ここ古賀ゴルフ・クラブで臨んだ2008年大会は、まさに周りが見えない状態で臨んだ試合でもあった。
当時、片山晋呉が1Wをキャディバッグから抜いてツアー通算25勝目を挙げた試合で、石川はほぼ全ホールで1Wを握って4打差の2位に入った。28歳になって迎える今大会は「(1Wを使うホールは)半分はあるかな」と想定。3W以下のクラブで刻む第1打が増えるが、それでも「他の選手よりは多いのでは」と話した。
狭いフェアウェイ、長いラフ、至るところに傾斜が配置されたグリーン。18ホール6817yd(パー71)は、ことしの「日本シニアオープン」(7019yd、パー72)より短い。「6800ydという距離でこれだけ難しいコースは日本にはないと思う」話す難度は、玄界灘を舞う風でいっそう高められる。
「ティショットがうまく行ったときのアドバンテージは魅力的」とアグレッシブなプレーに惹かれる一方で、石川はグリーン周りからのプレーを攻略のカギに挙げた。
開幕2日前からの事前ラウンドで充実した練習ができたのはバンカーショットだという。「今週になって良くなってきた感覚があるので、ホッとしている。このコースはバンカーを嫌がるとゴルフにならない。ラフから花道を使えなくて、仕方なく(意図的に)バンカーに入れたり、ショットがグリーンからこぼれてバンカーに入ったり。そこに拒絶反応があるとコースが難しくなりすぎる」
古賀のグリーンは中央から奥に下るホールも多く、“手前から攻める”定石を崩してチッピングがより簡単なエリアを見定めることも重要。「12番ホールは奥のラフも悪くない。奥からなら上りのアプローチになる。下手に手前から50ydを残すよりはいいかもしれない」。狭いコースをワイドに使う視野とマネジメントも求められそうだ。
予選ラウンドはディフェンディングチャンピオンの稲森佑貴、賞金レースを争う今平周吾と同組でプレーする。「目標のバーディ数は1日5コ。ここで5コ取れたら楽しい。ボギーとダブルボギーのことは考えたくないですね」と今季3勝目、ビッグタイトルにつながる日々の目標をつくった。(福岡県古賀市/桂川洋一)