2015年 ウェルズファーゴ選手権

シンプソン、メジャーを制した中尺パターは今どこに?

2015/05/16 13:29
中尺パターは、もう使わない。シンプソンの意志の固さの現れだ ※14日発行の地元紙「シャーロット・オブザーバー」より

ノースカロライナ州シャーロットにあるクエイルホロークラブは、自宅からわずかに1マイル。同コースのメンバーでもある地元在住のウェブ・シンプソンが、「ウェルズファーゴ選手権」2日目を終えて、通算10アンダーの首位タイとリーダーボードトップに名前を載せた。

シンプソンといえば、昨年宮崎で開催された日本ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」に出場した際、長く愛用してきた中尺パターから、実戦で初めて短尺パターを使用したことを思い出す。2012年、オリンピッククラブで行われた「全米オープン」も中尺パターで制したシンプソンだが、2016年1月1日に迫ったアンカリング禁止のルール改正に先立って、1年以上も前に準備を始めたことになる。

ちなみに、以前の中尺パターはどうしたのか? シンプソンは、日本に旅立つ前にこれを妻の前で膝を使って真っ二つに折ったという。そのまま捨てようとしていたが、妻に「そのパターで素晴らしいことを成し遂げたんだから捨てちゃダメよ」と諭され、「全米オープン」の優勝トロフィーとともに自宅に飾ったのだという。「僕は、壊れていないものは変えない主義なんだ(笑)」と、シンプソンは冗談めかして語っている。

「今では、これ(短いパター)が普通に感じる。君たちメディアが、普通じゃないってことを指摘してくれるけど、まあ構わない。毎週、経験を積み重ねている段階なんだ。どんどん新しいことを学んで、上手くなっていっていると思うし、そうなることが目標だよ」。

一度決断したら振り返らない。そのために退路も断つ。なかなか、潔い男である。(ノースカロライナ州シャーロット/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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