ウッズはギリギリで予選通過 “悲劇の週末”は免れる
タイガー・ウッズのエンジンがなかなか、かからない。フロリダ州のPGAナショナルで開催中の米国男子ツアー「ザ・ホンダクラシック」2日目を終え、ウッズは通算イーブンパーの66位タイと低迷している。
初日に1オーバーと出遅れたウッズは第2ラウンドも渋い表情でプレーを続けた。パーオンに成功したのはわずかに9ホール。そして20フィート(約6メートル)以内のバーディチャンスもショットで作れない。4番ではグリーン右手前のバンカーからの脱出に失敗してボギーを叩くなど精彩を欠いた。
3バーディ、2ボギーの「69」でまとめたが「もちろん良いショットを打ちたかった。特に今日はね。なんとかスコアをマークできたのはよかったが。週末には噛み合ってくれることを願うよ」。単独首位のロリー・マキロイ(北アイルランド)には11打差。3日目はキャリアで初のMDF(最終日の出場選手制限)を味わった「ファーマーズインシュランスオープン」に続き、再びセカンドカットのピンチに瀕してスタートする。
しかしながら、タイガーがギリギリでも予選を通ったことには少なからず“意味”がある。
1996年のプロ転向後、ウッズはこれまで297試合の米ツアー競技に出場。そのうち勝ったのは79回。では予選落ちは?というと9回だけ。メジャーを勝った14回よりも少ない。
そして米国ゴルフ界の2大スターといえば、もちろんもうひとりはフィル・ミケルソンだが、ビッグレフティはこの日、キャリアで初出場となった今大会で1ストロークが届かず決勝ラウンド進出を逃した。
この2人がともに出場した試合で、揃って予選落ちしたのは2012年の「グリーンブライアークラシック」の、たった1度だけ(ウッズのアマチュア時代を除く)。その2度目の“悲劇の週末”を迎えることになれば、土日にさらに膨れ上がる大ギャラリーの失望は計り知れなかったはずだ。
PGAツアーがこの日のラウンド後、メディアに配布した資料には、わざわざそんな記述があったのである。(フロリダ州ウエストパームビーチ/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw