世界選抜に追い風か 突然の大会スケジュール変更とは?
今年で10回目を迎える世界選抜対米国選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」。だが、対戦成績を見ると、米国選抜が7勝1敗1分と大きくリードし、前回大会まで4連勝中。世界選抜のキャプテン、ニック・プライスも、「“必ず勝たなければいけない”とは言わないが、もっと接戦にならなければいけない」と、巻き返しに必死だ。
「(分が悪い)理由については、多くの議論があると思うが」とプライスは言う。「チームとして、(世界各国から集まるから)一体感を作るのがより難しいとはこれっぽっちも思わない。それに、例えばスウェーデン人とスペイン人のペアが、オーストラリア人と南アフリカ人のペアより強いかということ、そんな風に思ったこともない」。
これから始まる戦いを前に、士気を高めるプライスだが、思い出されるのは4年前のサンフランシスコ大会。米国選抜に5ポイント差を付けられて負けた世界選抜キャプテンのグレッグ・ノーマンは、「いきなりフォアサムから始まるのは不利だ。アメリカはライダーカップで慣れているが、我々はそんなフォーマットで試合はしない」と、捨て台詞を残していた。
確かに、フォアボールはそれぞれ自分の球を打ってペア内でのベストスコアを相手チームと競うわけで、マッチプレーとはいえ、普段行っているストロークプレーの延長とも言える。だが、フォアサムは、ひとつの球を2人で交互に打っていく。プレッシャーの掛かり方も違うし、時にはいつも使用しているのとは違うメーカーの球で、試合を決めるクラッチショットを打たなければならないこともある。
そのノーマンの思いが届いたのか、今年の大会では初日:フォアボール、2日目:フォアサムと、先にフォアボールをプレーする。これは、96年の第1回大会以来、初めてのことで、PGAツアーの広報担当も直前になって知ったという、異例のスケジュール変更だ。
誰が、どんな機会に変更を決定したのか定かではないが、今後は毎回交互にやっていくそうだ。次回大会は再びフォアサムで始まり、その次はフォアボールという具合に・・・。いずれにせよ、今大会はフォアボールから幕を開ける。違和感の少ないフォーマットでどれだけポイントを稼げるか、そして波に乗っていけるのか。世界選抜のスタートダッシュに注目だ。(オハイオ州コロンバス/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka