2013年 全米プロゴルフ選手権

ファン投票で決定した最終日15番のピン位置

2013/08/11 10:59
オークヒルCCの15番ホール。最終日はファン投票により「C」の位置にカップが切られる。(画像:PGA of America)

今年で95回目の開催を迎えた「全米プロゴルフ選手権」では、開幕前から新たな試みが行われていた。大会を主催する全米プロゴルフ協会(PGA of America)は、最終ラウンドの15番(パー3)のカップを切る位置をファン投票で募集。その最終日を翌日に控えた9日(土)の夕方、“栄えある”そのピンポジションが明らかになった。

大会は3週前にホームページ及びソーシャルメディアなどで、このキャンペーンを開始。右サイドに池がある打ち下ろしの181ヤード、パー3に「A」~「D」の4つのピンポジションをユーザーに提示し、投票を受け付けた。総数約9万2000票のうち、最も数が多かったのが「C」。グリーンエッジ手前から25ヤード(奥までは36ヤード)、右から4ヤードと、池に最も近いシビアな位置となった。

同ホールはここまで3日間を通じて4番目の難易度を誇る。池を避けてグリーンを左サイドに外しても、3つのバンカーと、アンジュレーションの大きな深いラフ地帯が待ち受け、そこからのアプローチは、池ポチャの危険性も秘めている。

今大会でオブザーバーを務めるジャック・ニクラスは、1980年にこのオークヒルで行われた全米プロチャンピオン。帝王もこの「C」を個人的に支持していたとのことで「(アメリカンフットボールの)スーパーボールの第4クオーターで、勝負を決める“the shots”のようなショットが生まれるかもしれない」と、終盤の重要な1ホールとなることを期待した。

この新企画について全米プロゴルフ協会のテッド・ビショップ会長は「我々の目的は、世界のゴルフファンに今まで以上に大会に興味を持ってもらうこと。結果は素晴らしかったし、ファンが参加する機会を得ることに、選手たちも敬意を感じるはず」と説明した。“1クリック”が、歴史の1ページを作るかもしれない。(ニューヨーク州ロチェスター/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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