2013年 全米オープン

ああ遠い…メリオンGCのドライビングレンジ

2013/06/14 14:02
ギャラリーは6番ホール近くのエリアからシャトルバスで練習場へ向かう

今季の海外メジャー第2戦「全米オープン」が13日(木)、開幕した。舞台はペンシルベニア州フィラデルフィア近郊のメリオンゴルフクラブ。1981年以来5度目の開催となる名門は、1930年に球聖ボビー・ジョーンズが「全米アマチュア選手権」を制し当時のグランドスラムを達成、また、ベン・ホーガンが1950年の全米オープン交通事故の後の復活優勝を遂げるなど歴史の息吹が残る由緒ある場所だ。

しかし今年、ひとつ話題になっているのがコース内のアクセス問題だ。32年間、同クラブがメジャートーナメントの会場から遠ざかっていた理由として、昨今の選手たちの飛距離に対応できないコースの狭さがあった。その間、ティグラウンドなどを新設し近隣の土地を買い上げるなどして、プレーエリア等を拡大。6996ヤード、パー70の設定も決して大会の格を下げることなく、開幕を迎えた。

だが選手たちがプレーする18ホールは、メリオンGCの東コースを使用しているが、ドライビングレンジや、プレーヤーの待機場所は数百メートル離れた西コースにある。スタートホールの1番、11番まではカートに乗って約2キロの距離を移動しなければならない。その間およそ10分強。選手だけでなく、ギャラリーも選手の練習中の様子を見るためには専用のシャトルバスに乗車する。ちなみに、メディアセンターは最も離れた場所にあり、歩いていけばざっと45分。シャトルバスが2時間おきに出る予定だったが、報道陣のクレームにより1時間おきに増発されることになった。

4月の「マスターズ」に続くメジャー連勝を狙うアダム・スコット(オーストラリア)は「確かにいつもよりちょっと遠いよね。時間通りうまくいけばいい」と苦笑い。ロリー・マキロイ(北アイルランド)は「まあ、よくあること。ロッカールームと食堂、練習場が一カ所にかたまっていることは良いことかな」と意に介していない様子。

一方でタイガー・ウッズはスタート30分前には打撃練習場を離れなければならないことに「当然いつもとは違うだろうね。練習場でできる限り体を温めておかないと。たくさんの選手がどのくらい前にティグラウンドに向かえばいいかって、話しているんだ。ポイントは、あまり遅くなるのはもちろんダメだし、あんまり早いのも良くないってこと。体が冷えてしまうからね。だから練習ラウンドから、そのタイミングや時間を把握しようとすることが大切」と事前のシミュレーションの重要性を強調した。

全選手が全精力を尽くすメジャートーナメント。戦いは、やはり初日のスタート前から始まっているようだ。(ペンシルベニア州アードモア/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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