2013年 プエルトリコオープン

“目的地”としてのプエルトリコ

2013/03/14 12:12
古い町並みの中に、綺麗な海が見える

1493年、2度目の航海に出たコロンブスは、カリブ海の北東にタイノ族という先住民が暮らす島を発見する。港へと船が入っていく際、周囲の景色に感動したコロンブスはこう叫んだという。「なんて美しい港なんだ!(プエルト=港・リコ=美しい)」

強い光が、古いレンガとカラフルな建物の壁を引き立てる。要塞に守られたサンファンの旧市街からは、一方には断崖の先に真っ青な空と海、もう一方の坂の下には湾となった港が見える。石畳の路地をぶらぶらと歩いていると、コロンブスの言葉が何度も頭の中で響き渡った。

写真を撮っていると、海を眺めていた年配の男が笑いながら話しかけてくる。「良いところだろ?1990年に2週間だけ来ようと思ったんだけど、気がついたら20年経ってしまったよ!」

現在はアメリカ合衆国の自治地域として、コモンウェルスという立場にあるプエルトリコ。通貨は米ドルで、アメリカからの入国(?)にはパスポートも必要ない。四国の半分ほどの面積に約360万の人々が住み、主にスペイン語を話す彼らはラテンの血のままに陽気で、旅行者にも親密だ。

石畳の街路に、古い建物と新しいおしゃれな店が混在する

先週はゴルフの「プエルトリコオープン」と共に、ワールドベースボールクラシックも開催され、プエルトリコは2大スポーツイベントに沸いていた。プエルトリコ観光局(Puerto Rico Tourism Company / CTPR)は、その経済効果を4500万ドル以上だと試算している。治安面で問題があった時期もあったようだが、今はそのような不安を感じることは全く無かった。

島には多くのゴルフ場があり、ドラド、リオ・グランデなどがリゾート地としても名高い。ゴルフ殿堂入りを果したチチ・ロドリゲスも輩出した地だ。一年中温暖な場所だけに、米国からゴルフ旅行にやってくる人も少なくない。春先のこの時期でも、日中の気温は30度ほどだが、湿度が高くない分過ごしやすい。朝、晩には気温が下がり、実に快適に過ごせるだろう。

個人的な印象では、町中にある日本食屋で食べたにぎり寿司が、まるで日本人が握ったかのような出来映えで(確認できなかった)、とても驚いた。僕が再びこの国を訪れられるかは分からないが、チャンスがあれば是非また来たいと思う。聞くところによると、豪華クルーズ船も多く出入りしているという。カリブ海の島から島へ。毎日違う島にパスポートを持って上陸し、夜には船で生ライブ付きのディナーを楽しむ。なんて優雅な旅なんだろう。普段、迷惑ばかり掛けている家内を招待できる甲斐性が僕にあれば良いのだが・・・。(プエルトリコ・サンフアン/今岡涼太)

2013年 プエルトリコオープン