2013年 プエルトリコオープン

ベ・サンムンと今田竜二、1打の明暗

2013/03/10 07:03
2日目の最終ホールをバーディとして予選通過を決めたベ・サンムン

「プエルトリコオープン」2日目、予選通過となるカットラインは3アンダーで終盤を迎えていた。残り2ホールとしていた今田竜二は、通過圏内の3アンダー。彼を18番ホールで撮影しようと待ち構えていると、その数組前にいたのがベ・サンムン。スコアボードを見ると、2アンダーとなっていた。

18番(パー5)の2打目で、グリーンエッジまで50ヤードほどにつけていたサンムンは、自分の球の位置から、グリーンエッジまできっちりと歩測し、そこからピンまでのグリーンの形状、傾斜を確かめて、球のところに戻ってきた。

ウェッジで放った3打目を2メートルにつけると、このパットをしっかり沈めてバーディフィニッシュ。キャディとがっちりと握手して、紅潮した顔に充実感をみなぎらせていた。

「見ていましたか。ドキドキしましたよ」とサンムンは言う。綱渡りで予選通過を決めたサンムンは、3日目に入ると1イーグル4バーディの「66」を叩きだして、一気に27位タイまで急浮上だ。

一方の今田は、17番でバンカーが目玉になる不運なボギーで予選通過圏外の2アンダーとなって18番を迎えたが、同じような位置からの3打目を寄せきれず、バーディパットも読み違えて1打足りずに予選落ち。掛ける言葉も見当たらなかった。

両者の違いはストロークで言うとわずか1打だが、その差は天と地のようだ。その1打の違いを生み出すものは、これまたもっと微妙なものかもしれないが、その積み重ねが大きな格差を生んでいく。なんとも厳しいのが、プロの世界だ。(プエルトリコ・リオグランデ/今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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