プエルトリコオープン、優勝争いのメンツ
石川遼が、「プエルトリコオープン」2日目に「67」をマークし、通算7アンダーの3位タイに浮上して決勝ラウンドに進んだ。今大会は米フロリダ州で「WGCキャデラック選手権」が同週開催とあって、世界ランクで上位に位置する選手たちが不在の中、PGAツアーの、ひとつのタイトルをかけた戦いが繰り広げられている。
第2ラウンドで通算11アンダーまでスコアを伸ばし、2日間トップを走っているマット・ジョーンズはオーストラリア出身の31歳。PGAのレギュラーツアー、ネイションワイドツアーを通してまだ勝利が無く、昨年はFedEx Cupポイント127位で、プレーオフ進出を惜しくも逃した、という選手。3打差単独2位のジョージ・マクニールは、2007年のフォールシリーズ「フライズ・ドットコム・オープン」で唯一の勝利を挙げ、昨年は4度のトップ10入りがあり、この大会でも5位の成績を残している。
また、初日に存在感を光らせたのがベテラン選手たちだった。第1ラウンドで、8位タイまでに入った選手のうち、かつてのメジャーチャンピオンが5人、名を連ねた。ベン・カーティス(2003年全英オープン)、リー・ジャンセン(1993、98年全米オープン)、アンヘル・カブレラ(2007年全米オープン、09年マスターズ)、トッド・ハミルトン(2004年全英オープン)、ショーン・ミキール(2003年全米プロ)といったメンバーで、ハミルトンは2日目もスコアを伸ばし、石川と同じく7アンダーの3位タイで決勝ラウンドに入る。
今大会の出場選手中、最もランキング上位の選手は53位の石川だ。ジョーンズが同259位、マクニールが176位、そしてハミルトンが724位ということからも、それが群を抜いていることが分かる。2日目を終えて5位タイまでの9人のうち、石川を除いたランキングトップの選手はアンドレス・ロメロ(アルゼンチン)だが、それも161位にすぎない。
ただ石川にとっては、この数字がどうもピンと来ない。「意識は無いですね。何年もここ(米ツアー)でプレーした結果のワールドランクではないので。一概にワールドランクで実力は比べられない」と言う。しかしながら「ただ、プレッシャーというわけではないけれど、“何か”を背負っている気はする」と言う。ではその何かとは?「日本ツアーでやってきて、いまのワールドランクにいるということなので」。
現在、日本ツアーで獲得できる世界ランキングのポイントが他ツアーに比べ相対的に高いのではないか、という議論が持ち上がっており、各所での日本ツアーメンバーの戦績が、この問題に影響する可能性があることは石川にとっても気になるところ。プライドをかけた、決勝ラウンドでの戦いが待っている。(プエルトリコ・リオグランデ/桂川洋一)