キョンテ、タイガー撃破のインパクト
「ザ・プレジデンツカップ」の世界選抜入りを果たし、初めてその舞台に立ったキム・キョンテが、3日目のダブルス戦で大きな仕事を成し遂げた。同郷の先輩・Y.Eヤンとペアを組み、タイガー・ウッズとダスティン・ジョンソン組を撃破。最終18番で1.5mのウィニングパットを沈めた瞬間、クールな印象の強いキョンテが雄たけびとともに豪快なガッツポーズを繰り出した。
日本では抜きん出た強さを見せているキョンテだが、初日、2日目のダブルス戦では本領をまったく発揮できず、成すすべなく連敗。「調子があまり良くなかったから・・・」。正確なショット、アプローチ、パット、そのすべてが影を潜めていた。初出場という立場、周囲を取り巻くビッグネームたち。不慣れな状況にプレッシャーもあったのだろう。
「タイガーと回ることで少しナーバスになったし、すごくプレッシャーもあった」と振り返るキョンテだが、「ヤンさんがリラックスさせてくれたお陰です」という大先輩とともに抜群のコンビネーションを見せ、序盤から試合を優位に進めた。持ち前のアイアンの切れも戻り、バーディチャンスを演出。オールスクエアに並ばれた15番では、9mのバーディパットを捻じ込んで1UPのリードを奪う殊勲の1打。これまでの鬱憤を一気に晴らすような存在感を、ようやくオーストラリアのファンに見せつけた。
キャプテンのグレッグ・ノーマンも「彼はマッチプレーに向いているようだし、明日のシングル戦でも勝ってくれるだろう」と高評価。世界選抜のメンバーでは知名度は今ひとつのキョンテだが、明日のシングルス戦でトップスタートに組み込まれたことからも、ノーマンの期待が一気に高まったことがうかがえる。2015年大会は韓国で開催されることが先日発表となったが、出場への道を切り開くためにも同じ舞台で少しでもアピールしておきたいところだろう。アジアの代表、そして日本ツアーの代表として、明日も再びの活躍に期待!(メルボルン/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。