ファイヤーストーンCCに潜む怪物
4日(木)に開幕する今季の世界ゴルフ選手権シリーズ第3戦「WGCブリヂストンインビテーショナル」。トーナメント開催コースとして50年以上の歴史を持つ米オハイオ州ファイヤーストーンCCの名物ホールといえば、超ロングホールとして有名な16番だ。
667ヤードは米国男子ツアー最長級。セカンド、サードショットは打ち下ろしになるが、グリーン右手前に配置された池が口を空けて待っている。70ヤード近くティが前方に設置される日がある見込みだが、「後ろのティの時は、まず誰も2オンできない」とは石川遼。これが18ホールのうち2つしかないパー5うちの一つだから、ハイスコアの争いになりにくいのもうなずける。
1960年の「全米プロゴルフ選手権」でトリプルボギーを叩いたアーノルド・パーマーが「モンスター」と名付け、PGAツアー屈指の難関ホール「ザ・モンスター」として知られている。
昨年、石川はティが前に移動した最終日に602ヤードを2オンに成功。ティショットで357ヤードをかっ飛ばし、左足下がりのセカンドショットでグリーンをとらえた。しかし今年は開幕直前に雨が降り、グリーン、そしてフェアウェイも軟らかい状態で、ボールが転がりにくく、ティショットでランを稼ぐことが難しい。
ドン・バジェット大会ディレクターによれば、昨年よりもフェアウェイ幅を5ヤード広くしたことで、選手たちのよりアグレッシブなプレーが増えることに期待。「2オンも狙いやすいはず」と笑顔。しかしその一方で、大会期間中にイーグルが出る可能性について問われると「ノー」と言い切った。怪物を退治する選手は今年現れるだろうか。【米オハイオ州アクロン/桂川洋一】
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw