2021年 全英オープン

買い物コンシェルジュにロープ内観戦 全英の“バブル”はすごい

2021/07/13 15:45
小さくて分かりづらいですが…星野陸也のマスクは“全英印”

◇メジャー第6戦◇全英オープン 事前(12日)◇ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)◇7189yd(パー70)

初出場の木下稜介が、ちょっとだけ残念そうに言った。「今週、プロショップに入れないんですよ…」。海外メジャーならではの巨大なグッズショップはファンのみならず、多くの選手や関係者が日頃お世話になっている人へのお土産を買うために足を運ぶスポットでもある。

しかし、今週は選手やキャディ、トレーナー、コーチ、マネジャーといったサポートスタッフがグッズショップに入ることは禁止された。ギャラリーと接触するリスクを減らし、“バブル”を維持するためだ。ロッカールームの近くに待機するコンシェルジュに希望を伝え、買い物を代行してもらうルールになっている。

大会側は当初、トーナメント期間中に選手がコース近くに家を借りて生活することも禁止する方向だったという。結局認められたが、選手とスタッフを含めた4人までの人数制限、ほかの家との行き来の禁止など条件が設けられた。

星野陸也はキャディ、マネジャーとともに家を借りている。外食どころかスーパーマーケットにも入ることができないため、ここでもコンシェルジュの出番。事前に注文してまとめてもらったものを店の前で自らピックアップすることは可能だが、自炊用の食材を届けてもらうのがスタンダードになっている。

大会オフィシャルホテルに泊まる木下もコースに行く以外の外出は一切認められていない。選手や大会関係者しかいないホテルで食事を済ませる日々だ。

1日当たり最大3万2000人のギャラリー入場を許可している今大会。大会が始まればギャラリーと同じエリアでプレーを見るはずのコーチやマネジャーも、今週に限ってはロープ内を歩くことになった。

ちなみにメディアは“バブル”の外にいる扱い。ほとんどの国・地域からの渡航は10日間の自主隔離と期間中の2回の検査が求められる(英国のルールにより追加で検査を受けて陰性であれば、隔離期間を5日に短縮することは可能)。その上で入場に際し、簡易検査キットを使った48時間以内の陰性証明の提示が求められる。(イングランド・サンドウィッチ/亀山泰宏)

■ 亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール

1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。

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