大山志保に塩対応 全米女子OPで練ラン拒否の“お役所頭”
今季の海外女子メジャー第3戦「全米女子オープン」の2日目に、6バーディ、2ボギーでこの日ベストの「66」をマークした大山志保が、通算4アンダーの2位に浮上。首位のエイミー・ヤン(韓国)を3打差で追いかけて週末へと挑む。
2009年以来6年ぶり3度目の出場となった大舞台に、父・晃さんも初めて米本土での試合観戦に駆けつけた。怒濤のバーディ奪取でリーダーボードに名前を載せ「幸せですね、最高です」と大山。「この6年間にケガでプレーできなかったり、シード落ちしたりしたから、本当に嬉しい」と笑みがこぼれた。
大山はこの日、ベストショットを2つ挙げた。11番でグリーン奧の逆目のライからロブショットで1.5mに寄せたアプローチと、17番のバンカーショット。ともにしぶとくパーセーブにつなげた場面だった。「その2打は、6年間の成長が見られたと思う」。日々成長、38歳になっても大山の意識は高いままだ。
そんな大山だが、今大会の出場権を獲得したのは「7月5日(前週日曜)の最新ロレックス(世界)ランキングで50位以内」という枠だった。その前週までのランキングは44位で、大山の50位入りはほぼ確実だった。
出場権獲得を見越し、3日に現地入りした大山は、土曜日に勇んで会場のランカスターCCに来たものの、練習ラウンドを拒否されたという。理由は「99.9%大丈夫だろうが、まだ世界ランクで50位以内と決まっていないから」というもの。大会出場者のみが、練習ラウンドを行えるというのが規定だった。
その日はコース外での練習のみで、続く日曜日も同様。月曜日の朝9時頃にようやく世界ランクのウェブサイトが更新されると、大山の順位は43位に上がっていた。だが、それでも全米ゴルフ協会(USGA)は練習ラウンドを許可しなかった。「このランキングが正しいかどうか、ロレックスランキング側からの電話連絡が必要だ」という。
待つこと3時間。ようやく正午になって、USGAに連絡が入り、大山の練習ラウンドが認められたという。今週に入り、USGAはキム・セヨン(韓国)のキャディを追放したが、大山の件も含めて「規則に厳格すぎる、典型的なUSGAのやり方だ」という声も聞かれたが…。
だが、大山本人はそんな扱いもポジティブ思考で乗り切った。「練習さえできればいい。パター練習もいつもよりできるし、このコースはフェアウェイに打てないと話にならない。良い練習になりましたね」。イライラせず、起きた事態を受け入れる。大人の対応が、ベテラン選手の強さでもある。(ペンシルバニア州ランカスター/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka