復活?新生?それとも必然? ツェン・ヤニ首位発進の怪
かつて世界ランク1位に君臨し、08年から11年までの4年間でメジャー5勝を挙げたツェン・ヤニ(台湾)だが、米ツアーではここ2年優勝がない。それどころか、トップ10入りすら昨年はわずかに2回、13年も4回だけで、現在の世界ランクは90位まで下げている。
先週の「ISPSハンダ オーストラリア女子オープン」でも、「79」「82」と無残な予選落ちに終わっている。ところが、わずか一週間後の「ホンダLPGAタイランド」初日に7バーディ、1ボギーの「66」で回って首位発進だ。
台湾と地理的に近いからだろうか。ここでは、「加油!(じゃーよぅ/頑張れ!)」という中国語の声援が多く響く。今大会には09年から6度出場して優勝2回(11年と12年)、その他の4大会でも7位を外したことがない。今週も“当然のごとく?”首位に立った。
今年から、コーチもトレーナーもキャディも変えたというヤニ。コーチはあのブッチ・ハーモンの息子であるクロウド・ハーモン。「彼らは私をリラックスさせてくれるし、自分を信じさせてくれる。スイングは良いから、精神的に強くなることが必要。メンタルトレーニングもして、今はどんどん良くなっている」。久しぶりに満面のヤニ・スマイルを見た気がする。
同組で回ったタイの19歳、アリヤ・ジュタヌガンの影響も大きかった。恐れを知らないルーキーは、恵まれた体格を生かしてドライバーを振り回し、ヤニよりも遠くへ飛ばす。「彼女のプレーを見ていると、自分が若かったときのプレーを思いだす。ただクラブを握って、打つ。何の心配もしていない。ゴルフは本来そうあるべき。彼女から学んだわ」。
3年ぶりの復活優勝へ突き進む。ヤニも気付けば26歳になっている。(タイ・チョンブリ/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka